妻と食事中にクソリプ対応で「あなたはサイコパス」

撮影=小野田 陽一

【箕輪】僕もいつも同時並行で考えてます。先日も妻と外食している間、ツイッターで丸山穂高に名前を出されたことで絡んできたツイッターのバカに「うるせえ、死ね」とかリプし続けていました。帰ってからそれを知った妻から「あの時スマホで誰かと喧嘩けんかしてたなんてサイコパス」とあきれられましたが、その他にも企画のことをぼんやり考えています(笑)。ぜんぶ100%じゃないけど、いつも10個くらいスイッチがゆるく入っている状態です。

【栗原】サイコパスと思われたら、逆に楽だよね。まわりも「あいつは仕方ない」と許してくれる(笑)。

【箕輪】たしかに失礼だと怒られることはあまりないかも。仮に誰かから怒られても、そもそも怒られてる自分に100%集中してないから、気にならないんですよね。肉体はここにあるけれど、幽体離脱して、怒られてる自分を客観的に見ていたり、完全に別のこと考えていたり。多動症というか3歳の子供みたいな感じです。

【栗原】そうやってぼんやり考え続けるのも、たしかに「準備」だ。それなしには企画が形にならないわけだから。

【箕輪】そうですね。ずっと雑にいろいろ考え続けていて、面白い人と会って話したりしていた、なんかの瞬間に一気に集約されて企画になるイメージです。

判断軸は自分にとって面白く、同世代に刺さるか

【栗原】箕輪君が本をつくるときは、まずテーマ決めから?

【箕輪】先にテーマが決まっていることもありますが、人ありきのことが多いですね。まず面白い人を著者にして、お話しする中でその人のコアな部分を見つけて本にするというパターンです。アカツキというゲーム会社社長の塩田(元規)さんの『ハートドリブン』という本を出したのですが、最初は「仕事と遊びの境界線はない」という企画でした。でも、そういった本は1000冊くらい出ていて、僕自身もワクワクできない。どうしようかともっと掘っていったら、自分の内面と向き合ったり瞑想したりするのが好きという話が出てきて、「これは塩田さんだからこそビジネス文脈で書けるテーマだ」とピンときました。売れるかどうかはわからないけど、やっぱりオリジナルのものをやらないと面白くないです。

【栗原】テレビ番組も同じですよ。僕も自分が面白いと思うか、そして自分と同じ世代の人に刺さるかどうかを基準にコンテンツをつくってます。全年齢を意識した番組は、結局、数字も良くないことが多い。

【箕輪】出版はミリオンセラーでも100万部。基本的にどこまでいってもニッチです。もともとマスじゃないから、僕も特定の誰かに刺さればいいというくらいのイメージでやっています。そもそも僕は会社員で、本が売れても給料が増えるわけではありません。それよりも「箕輪がつくった本は超ヤバい」と言ってくれる人が1人でも増えるほうがうれしいです。