「会議を開くこと」が目的になっていたB社

A社はなるべく会議を実施しないようにしています。そのうえで仮に会議を開くなら、事前にゴールを定めて時間も厳守する。参加者もあらかじめコントロールして、徹底的にムダを省いて、最大限のアウトプットを出すべく議論が交わされます。

当然、参加者の全員が事前に資料をチェックしています。会議が始まる前に情報が共有されているので、本質的な議論から始めることができます。対してB社は、そもそも会議を開くことが目的になっていました。毎回、会議のゴールを設定せず、ひたすら同じような議論が繰り返される。会議の時間を延長しても、結局ゴールにはたどり着きません。

望ましいのはA社のやり方です。あなたがもしB社のような会議に時間を拘束されているなら、徹底的に改善すべきです。

例えば、次の3つのポイントを実践してはどうでしょうか

・時間を設定する
・出席者をコントロールする(議題に関係のない人は招集しない)
・ゴールを明確に設定する

これらをしっかりと固めて、会議の参加者がそれぞれ高い集中状態で議論をすること。会議でもフロー状態を生み出すことができれば、確実に結果は付いてくるでしょう。

会議中に「一人フロー状態」に入る方法

「そんなことは分かっているけれど、自分一人ではどうにもならなくて」という声もよく聞きます。

私も、そういった事態によく直面します。会議の進め方に異議を唱えれば風当たりも強くなる。せっかく生産的な会議に変えようとしているのに、なぜか冷たい目で見られたりもします。そんな場合は、腹をくくって会議と向き合い、「会議以上」の生産性を発揮するようにするのです。

どんな会議でも、最近ではパソコンなどを持ち込めます。そこで会議の発言に耳を傾けながら、気づいたことを、どんどんとパソコンやメモ帳などに書き込んでいくのです。会議中に求められている仕事のハードルを、自分の中で勝手に上げていく。スキルとチャレンジの関係性をより高次元に設定することで、自分一人だけでもフロー状態に入れるようにするのです。

会議の準備ができているビジネスパーソンであれば、いつ話題をふられても、明確な意見を伝えることができるはずです。

そのうえで、会議の内容を進展させる生産的な視点や、関連する視点を整理し、毎回、その場で質の高いアウトプットを生み出していく。会議で時間を拘束されるからこそ、そこでしかできないことを進めていく。そう、発想を変えてしまうのです。

具体的に、どのように実践すればいいのでしょうか。フロー状態に入れるプロティアン会議術の実践方法について伝授しましょう。