無駄な会議が多くて仕事に集中できない時は、どうすればいいのか。法政大学の田中研之輔教授は「腹をくくって会議と向き合えばいい。拘束時間を使って『フロー状態』に入れば、会議以上の生産性が発揮できるはずだ」という。その方法とは——。
※本稿は、田中研之輔『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』(日経BP社)の一部を再編集したものです。
「目の前の仕事」に没頭できているか
様々な問題から目を背けずに解決のために遂行する力、ビジネスプロダクティビティを養うには、どうすればいいのでしょうか。
私は、これまで様々な業界で働くビジネスパーソンと対話してきましたが、プロティアン・キャリア(※)を形成できているビジネスパーソンと、そうでない人では、明確な差が一つあると気づくようになりました。
※社会や職場の変化に応じて柔軟にキャリアを変えていく、「変幻自在なキャリア」のこと。
それが、目の前の仕事に没頭できているかということです。そして没頭できているか否かは、職種や年齢、職歴などには全く関係がないことも判明しました。
没頭することがいかに重要か。
それを説いたのが、行動心理学者のミハイ・チクセントミハイ教授です。彼は著書の中で、56歳で不動産業務に関わるあるビジネスパーソンの語りを、次のように紹介しています。
「私は、行動するのをやめて本を読みながらただ裏庭でおとなしくしているというような引退をするつもりはありません。目的を明確にして、仕事に出かけていきたいのです。学び続けること、私を成長させ、意欲をかきたててくれる新しい体験をし続けることは、ほんとうに重要です。新しいスキルを学ぶこと、新しい体験をすることが好きなんです」
——ミハイ・チクセントミハイ著『フロー体験とグッドビジネス』(世界思想社、p.79より抜粋、著者編集)
——ミハイ・チクセントミハイ著『フロー体験とグッドビジネス』(世界思想社、p.79より抜粋、著者編集)