毎月定額で家具や家電を借りられるサービスの選択肢が増えてきた。どんな人におすすめのサービスなのか。消費経済ジャーナリストの松崎のり子氏は「モノの処分が大変な高齢者に使ってほしい。購入したほうが安い場合もあるが、いいものを必要な期間だけ使うほうが暮らしは快適だ」という――。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Ljupco)

買い物で失敗したくないなら「レンタル」がいい

2019年10月より消費税率が10%に上がる公算が大きくなった。その前に、家電やAV機器などの高額商品を買うべきか悩んでいる人も多いだろう。買うべきか、買わざるべきか、そして買うならいつがいいのか、悩ましい。

そこに、もう一つの手段がある。「買わずに借りる」という方法だ。

借りて使うといえば、思い浮かぶのはレンタルだろう。レンタルを選ぶ理由の多くは、「使う期間が短いので借りたほうが安いから」。旅行用のスーツケースやビデオカメラ、成人式の晴れ着、またベビー用品などが代表的だ。しかし、近年はそれとは異なる動機で、レンタルを利用するケースもある。そこにあるのは「買い物で失敗したくない」とか「管理や処分の手間が面倒だ」という心理だ。

例えば、高額な買い物で失敗したくないのなら、購入前に“お試しレンタル”をすればいい。ロボット掃除機や小型ムービーカメラ、アウトドア用ギアやキッチン家電など、店頭やネットの評判だけではわからない使い勝手を確かめるのに、レンタルはぴったりだ。

めったに使わない「カメラ」はレンタル向き

筆者が最近「レンタルにすればよかった」と痛感したのが、デジタルカメラだ。シュノーケリングのために水中で使えるデジタルカメラを保有しているのだが、最近はなかなか旅行に行けず、引き出しに眠ったままだった。たまたま利用する機会が訪れて取り出してみたところ、電源が入らない。買い替えも考えたが、まだ数回しか使っていないのでメーカーに連絡して修理を依頼した。むろん、保障期間はとっくに切れていたので有償だ。

電池交換で済んだので支払ったのは1万円ほどだったが、いざ電源を入れてみるとずいぶん画面が小さいなと感じる。使用していなかった数年のうちに、世のデジカメは著しく進歩していたのだ。

もし、カメラを買わずにレンタルすれば、いつでも新しい機種が使える。故障や経年劣化を気にする必要もないし、メーカー保証が切れる心配もない。1年でどんどん機能が進化する高機能カメラやギアなどは、所有するのが趣味という人以外は、必要な時に借りて使うレンタルのほうが理にかなっているのではないか。