知らないと恥をかくニュース用語。テレビ朝日のお昼の顔として日々時事ネタを捌く大下容子アナが教える、聞き慣れない固有名詞をド忘れしない方法とは? 「プレジデント」(2019年8月16日号)の特集「忘れない勉強法」より、記事の一部をお届けします――。

1993年にテレビ朝日に入社した大下氏。98年から情報番組「ワイド! スクランブル」でサブMCを務め、昨秋よりメインMCに抜擢された。今春、自身の名前が冠に付く「大下容子ワイド! スクランブル」として再スタート。同番組名の変更は23年ぶり。局アナの冠番組は異例中の異例だ。ORICON NEWSが毎年発表する「好きな女性アナウンサーランキング」では、3年連続のトップ10入りを果たしている。

新聞10紙に目を通し、メモ帳を広げる

大下容子氏(衣装協力=ランバン コレクション)

平日の生放送は朝10時25分に始まりますが、いつも早朝5時台には出社しています。「ワイド! スクランブル」は2019年で21年目になるのですが、年々準備に要する時間が増えてきました。昔の放送内容はVTRが中心だったのですが、現在はスタジオの配分が多くなり、出演するコメンテーターや専門家の方の人数も格段に増えたからです。生放送の決められた時間の範囲内で、全員の専門性や個性に合わせて的確な質問をしていくには、私自身の精度を上げていかないといけません。

早朝に出社してまずはその時点でできている仮の台本に目を通し、一般紙5紙とスポーツ紙5紙を40分ほどかけてざっと読みます。同じニュースでも新聞によって論調が違うこともあります。様々なスタンスの意見を把握しつつ、このニュースの核心は何なのか、多角的にニュースを伝えるために、誰に何を質問すればいいだろう、ということを考えて、整理をしていきます。

そのとき、テレビも全局つけて耳からも情報を入れる。とにかくシャワーのように情報を浴びて、自分はそのニュースの何に興味があるのか、何がわからないのかを明確にしていき、疑問に思ったことや自分の考えは、メモ帳に書いていきます。

アナウンサーという立場上、番組をスムーズに進行し、視聴者に様々な見方をわかりやすくお伝えすることを心がけていて、あまり自分の意見を言うことはないのですが、言うか言わないかは別にして、自分から能動的に関わったほうがそのニュースへの取り組み方は深いものになるし、何よりもっと知りたくなって楽しいのです。

「プレジデント」(2019年8月16日号)の特集「忘れない勉強法」では、本稿のほか、ハーバード大学、オックスフォード大学など「世界の名門校の『地頭の鍛え方』」から、医師、弁護士など難関試験の「最高齢合格者の学び方」、スマホと連動したIT文房具まで、大人の学習を促進するヒントを幅広く紹介しています。ぜひお手にとってご覧ください。