「愚か者の所業。恥を知りなさい」

「野党の皆さん、年金を政争の具にしないでいただきたい。(中略)猛省を促します」

「(民主党政権の3年間は)はっきり言って、無為無策だった」

「民主党政権時代はどうだったか。(中略)まさに悪夢だったのであります」

極め付きは「民主党政権の負の遺産の尻ぬぐいをしてきた安倍総理に、感謝こそすれ、問責決議案を提出するなど、全くの常識外れ。愚か者の所業とのそしりは免れません。恥を知りなさい」。

ここまで来ると批判というよりも罵詈雑言だろう。SNSでは「ヘイトスピーチではないか」という書き込みも見られた。いずれにしても衆院解散が消えてから緊張感が消えた終盤国会で三原氏は文句なく注目度ナンバー1。MVPだった。

参院で「八紘一宇」を訴えて、激しく批判されたが…

三原氏というと「八紘一宇」発言が記憶に新しい。八紘一宇とは「世界を1つの家にする」という意味だが、第2次世界大戦で侵略戦争を正当化するスローガンとして用いられた言葉。

三原氏は2015年3月16日、参院予算委委員会の質問で「建国以来、大切にしてきた価値観『八紘一宇』を紹介したい。強い国が弱い国のために働く制度ができて、世界は平和になる」と肯定的に語ったのだ。

この時は猛烈な批判を受け、三原氏は超保守的・復古主義的な政治家という位置づけが定着した。その印象が強いだけに、25日の反対討論も注目を集め、騒ぎとなったのだ。

自民党内では政治家として評判がいい理由

ただし三原氏は、自民党内では、なかなか評判のいい政治家であるのも事実だ。普段は物腰が柔らかで、政治家のパーティーなどへも積極的に出席してスピーチする。50代になってもアイドル時代を彷彿とさせるルックスで、知名度は抜群なだけに、パーティーも盛り上がるのだ。

1期目は比例代表で当選したが、2期目は神奈川県選挙区にくら替え。自民党候補が既に1人いるところに2人目の候補として出馬するという、誰もが嫌がる厳しい選挙を戦いながら、100万票を超える圧倒的1位で再選を果たした。度胸があると評判だ。

24日の反対討論も、野党の憎しみを一身に浴びる憎まれ役を引き受け、見事に演じきったということもいえるのだ。