安倍政権の成果を強調する発信も抜かりない

そういった視点から三原氏の反対討論を聞き直してみると、新しいことに気づく。野党をディスる部分ばかり目立つが、もう1つ安倍政権の成果を強調する発信も抜かりないのだ。

「年金積立金は6年間で44兆円の運用益が出た」

「年金額が少ない人のために10月から、最大年6万円の給付金を支給する」

「6年間で正社員が130万人増えた」

これらの発信は、翌26日夕、国会閉幕をうけて安倍氏が首相官邸で行った記者会見でも繰り返されたデータ。政府・自民党としては参院選に向けて最もアピールしたい内容ともいえる。

残念ながら安倍氏の会見は「記者の質問にまともに答えずに自分の言いたいことだけを延々しゃべっている」と評判は悪く、テレビなどで引用されることは少なかった。三原氏の討論は、批判も多いが、テレビでも盛んに扱われ、ユーチューブなどを通じて動画は繰り返し再生されている。そういう意味で考えれば三原氏の「貢献度」は安倍氏よりも上、ということもいえるのだ。

応援弁士としては「特Aランク」だが、過激発言にはリスクも

三原氏は、少なくとも自民党内で「女を上げて」いる。参院選を前にして自民党は応援遊説日程の準備を進めているが、三原氏は小泉進次郎氏、野田聖子前総務相らと並んで「特Aランク」。自民党本部からの要望で全国の重点区を走り回ることになる。

参院選後に行われる内閣改造では、入閣候補として名前も浮上している。

ただし、この好意的な評価はあくまで自民党内と自民党支持層だけの話。三原氏の発言は、SNSでの発信をみるまでもなく世論の分断に拍車をかける結果となった。

討論で三原氏は野党に対し「国民の不安をあおらないでいただきたい」と訴えたが、三原氏に対しても、良識の府である参院で「与野党の対立をあおっている」という批判がブーメランのように返ってくる。全国で遊説に回っても、三原氏は大きな拍手とともに、少なくないヤジを受けることになるだろう。その場で失言するようなことになれば、参院選の流れを変えることにもなりかねないのだ。

選挙が終わった時には三原氏が「恥を知りなさい」と言われている可能性だってあるのだ。

(写真=時事通信フォト)
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