危険な原発とどう向き合うか。小泉進次郎は学生たちに、孫正義は国会議員を前に、講義を行った。田原総一朗も注目するこのスピーチをすべて公開する。
――序文・田原総一朗
東日本大震災により東京電力の福島原発で事故が起き、多くの国民が「脱原発」に同調している。そうなると、原発に代わるエネルギー源をどうするのかが問題になる。自然エネルギーへの転換の声が大きいが、これまで政府は開発に費用をかけず、まともに取り組もうとしてこなかった。それだけに、これから真剣に論議する必要がある。
私は脱原発をしてもすぐには自然エネルギーに変えることはできないと思う。それではいつまで原発を続けるのか。私が多くの専門家に取材した話を総合すると、20年から30年かけてソフトランディングさせるのが現実的である。
その間、少なくとも現存する原発の安全性を保ち、きちんと管理しなければならない。そこで問題になるのが使用済み核燃料の処理だ。これは原発廃止にしろ原発依存にしろとても重要な問題だ。現在、使用済み核燃料の処理は青森県・六ヶ所村で行われているが、最終処理であるガラス固化技術に問題が生じ、いまだ最終処理は行われていない。また、これから20年以上、原発を稼働するのであれば核燃料の再処理、プルサーマルの利用も考えなければならないが、いまだ処分方法が未定という問題を抱えている。脱原発にしろ自然エネルギー開発にしろ様々な難問に直面している。
こうしたエネルギー問題について一年生議員ながら鋭い舌鋒で注目される小泉進次郎氏と脱原発に突進する異端の事業家・孫正義氏の意見は傾聴に値する。