「大人のコミュニケーション」を身につける1冊

桑野麻衣著『好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい』(クロスメディア・パブリッシング)

新たな環境に活躍の場を移す人が多い時期だからでしょうか。今月はコミュニケーションに関する書籍が上位にランクインしました。第2位の『好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい』もそのひとつ。この本は、成熟した言葉づかいを手に入れるための1冊です。

著者はANAで接客経験を積み、オリエンタルランドやジャパネットたかた、再春館製薬所グループ企業などで教育研修に携わってきた、コミュニケーションのプロフェッショナル。本書では、45の技が紹介されています。これを実践していけば、より円滑に自分の意見を伝えられるようになるでしょう。「大人のコミュニケーション」を身に着けたい方におすすめです。

クイズ王が教える「勉強」のやり方

伊沢拓司著『勉強大全』(KADOKAWA)

第3位は、東大卒クイズ王である伊沢拓司氏の著書、『勉強大全』でした。開成中学・高校から東大に入学したという、華々しい経歴を持つ彼。さまざまな試行錯誤を経て勉強方法を確立し、東大合格を手にしたといいます。本書には「合格」という成果を出すための知見が濃縮されており、受験生だけでなく社会人からも高い評価を得たのも納得です。

本書で書かれている「勉強戦略」の立て方、暗記の攻略法、思考の広げ方は受験生でなくても参考になりますし、とりわけ資格試験を受ける方には得るものが大きいはず。「大全」の名前に恥じない内容です。

「才能」から展開するコミュニケーション論

北野唯我著『天才を殺す凡人』(日本経済新聞出版社)

第4位にランクインした『天才を殺す凡人』は、「才能」という視点からコミュニケーション論を展開した、実にユニークな1冊。世の中には「天才」「秀才」「凡人」の3種類がいること、「天才」は「凡人」に殺されうることを、ストーリー仕立てで語りかけます。天才は「創造性」で、秀才は「再現性」で、凡人は「共感性」で、物事を評価する――このフレームワークには、「なるほど」とうなずかれた方も多いのではないでしょうか。

本書ではこうした異なる価値観を持つ人々のコミュニケーションを成立させる「アンバサダー」の特徴も解説されており、価値観が多様化する現代だからこそ、注目を集めた1冊と言えるでしょう。