一流は飲み会でしゃべらない

飲み会で話題にしてはいけないことはありません。誰だって仕事のことも大切だけど、家庭のことも大切です。それをうちは全部オープンにして話しています。ウソで固めた人生は楽しくないでしょう。楽しくないと会社じゃないし、楽しくないと人生じゃないと私は思っています。年間の飲み会の経費だけで3000万円を超えていますが、惜しくないです。ふつうの会社は飲み会を福利厚生費と見るのですが、私は経理上の扱いは別として、「教育研修費」だと思っています。そう考えれば、高くないですよ。結果、離職率が激減して社員が定着し、社内結婚の数も激増しました。

一流の人は飲み会を教育と考えます。だから自分がしゃべるより、相手にしゃべらせるよう細心の気づかいをします。二流は自分がしゃべりたいことをべらべらしゃべるだけ。時々酒乱がいるんですが、これは三流以下です。会社によってはお酒を飲む人やギャンブルをする人を敬遠するところもあります。しかし経営も仕事もある意味ギャンブルだし、結婚だってギャンブルですよ。だから社員もギャンブルの発想ができないとダメですね(笑)。

小山 昇(こやま・のぼる)
1948年、山梨県生まれ。東京経済大学卒。85年武蔵野入社、89年から現職。700社以上の経営指導を手がける。国内で初めて日本経営品質賞を2度受賞(2000年、10年)する優良企業に育てる。
(撮影=榊 智朗)
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