幹事の「乾杯!」のひと声で小山社長を囲む社長質問会がスタートすると、さっそく社長の左手の女性社員が質問を開始。いきなり「私のライバルは佐々木さんなんですけど、勝つにはどうしたらいいですか?」と言う。ド直球の質問だ。小山社長は「え? 佐々木さんに勝つの? だったら絞め殺しちゃったら?」と返して会場はいきなり笑いの渦だ。「数字を見ていくこと。そうじゃないと勝てないよ。はい次」と、順に質問が繰り出されていく。それに小山社長が瞬時にアドバイスをしていくという流れだ。店長になって3カ月の若手の男性が「新人店長が最優先でやることは?」と質問すると、「みんな歓迎してくれただろう?」「はい、袋叩きにあってます(笑)」「それ、武蔵野ではまともなことだから。もうすぐ1人入るから、その人が来たら“いじめて”あげなさい。はい次」。

仕事上の悩みに関するド直球なものから、極めてプライベートなものまで、社員たちは遠慮なく小山社長に質問を投げかける。

横で聞いているだけではよくわからないのだが、当の本人は安心した顔に変わる。社長が答えるたびに、質問者だけでなくメンバー全員がメモを取る。目の前のカニ鍋をつつく暇などない。

極めてプライベートな質問まで飛び出した

そうしてひと回り、ふた回りと1人ずつ、質問を社長に投げかけていくのだが、驚くのはその質問の中に「部下が3年後に部長になりたがっています。何をしてあげたらいいでしょうか」「男性の部下に結婚を勧めたいが彼にその気がありません」「マンションを買いたいがどんな物件がいいでしょうか」といった、部下に関するかなり立ち入った質問から、極めてプライベートな質問まで飛び出したことだ。だが小山社長は平然とアドバイスをし続ける。

30分間、最初のグループの質問に答えた後、小山社長は席を移動してもう1つのグループの真ん中に座る。新たなメンバーを相手に質問タイムがスタート。社内結婚をした夫に関する相談をした女性には、「あなたの旦那さんは、あなたにイライラするでしょう?」「そうなんです!」「あなたと正反対の性格なんだよ」といった人間学にも発展していった。そうして約1時間の間に60~70の質問に矢継ぎ早に答えた後、小山社長は数万円のお金を隣の女性社員に預けて、「お疲れ様。ゆっくりやってね」と退散した。

「社長にズバッと答えていただいて気持ちよかったです」(女性社員)、「社内でもお会いすることはあるのですが、この場でしか聞けないこともあるので、貴重な時間でした」(女性部長)と、質問した社員たちはすがすがしい顔だ。