気になるのは、役員も平社員も6割以上が「18時台までに退社」し(図7)、5割以上が「19時台までに夕食」をとっていると答えている点(図8)。これなら十分な睡眠時間を確保できるはずだ。
「役員の場合、夕食といっても取引先との会食で、実質的には残業である可能性もあります。最近多いのが『スマホやテレビを見たり、なんとなくダラダラと時間をすごしている』というタイプ。平社員はこれかもしれません」
そうなると、生活パターンを見直せば睡眠負債を返済できるという人は、かなりの数に上りそうだ。
「仕事が詰まっていない時期に、1週間だけでも毎日7~9時間の睡眠をとることを中心に据えたスケジュールを立ててみてはいかがでしょうか。これを実践すれば、体調の改善や脳の働きの正常化により、短い労働時間でも仕事をこなせることに気づくはず。睡眠の大切さが身にしみます。睡眠薬などに頼らずとも、生活習慣を見直すことで睡眠時間を十分確保でき、睡眠の質も向上するのです」
ちなみに、「土日に寝だめをしたい」という人もいるだろう。ふだんより夜は1時間早く寝て、朝は1時間遅く起き、計2時間ほど多く睡眠をとる形であれば、体のリズムは崩れにくいそうだ。