結局、ここまでは無料、ここからは課金という「フリーミアム」のシステムをどう設計するかが鍵となる。それは1つの芸術と言ってよいくらい難しく、しかし面白い課題である。

昔の紙芝居屋さんは、水飴を買った子だけに見せていたけれども、お金がなくて買えない子が電信柱の陰からこっそり見たりすることもお目こぼししていたという。そのような人間味あふれる仕組みがあると、サブスクリプションモデルは輝く。

今流行りのオンラインサロンも、サロンの仲間内の連帯感ができるのはいいとして、逆に閉鎖的になっていろいろな問題が起こるとも聞く。

サブスクリプションの「内」と「外」の間の壁をあまりきっちりつくってしまうと、システムとしてかえって脆弱になり、発展性もない。

契約して一定のお金を払うと居心地のよい世界がそこにある一方で、「野次馬」や「のぞき見」のようなこともできるようにしたら、理想的なサブスクリプション・サービスに近づくだろう。

運用を巡って、研究やイノベーションの余地がまだまだあるという意味でも、やはり時代は「サブスクリプション」なのかもしれない。

(写真=時事通信フォト)
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