1.「少しだけ」早く寝る
次の朝早いので、いつもよりも早くベッドに入ったはいいけれども、かえって眠れなくなった経験はないでしょうか。人間は、いつもの就寝時刻より早く寝つくこと、つまり体内時計を早回しにすることは、非常に苦手です。特に夜型傾向の強い10代後半~20歳代の男性にとっては、いつもより早く寝なさいというのは、厳しい注文かもしれません。
たしかに、平素より1時間以上も早く寝つきなさいというのは、やや無理があります。しかし、3、4月は「明け方」の睡眠が浅くなっていることを思いだしてみてください。30分くらいならば、いつもより早く寝ることはできないでしょうか。夜更かしをやめる、という漠然とした目標よりも、数値化した現実的なスケジュールを考えるべきです。
2. 休みの日の寝坊は2時間までOK
朝起きる時刻も、夜眠る時刻も、一定にするのが体内時計にとってはいちばん望ましい生活です。しかし、人間である以上、このような実験動物のような生活をすることは100%不可能でしょう。
3、4月のこの時期は、睡眠時間が冬に比べて短くなり始め、体内時計がそれに追いついていない状態です。かつ、周囲の変化もかなりあり、心理的負担も大きくなっています。平日の睡眠不足は、当然のものとして考えなければなりません。
特に新生活が始まった人にとっては、週末は貴重です。ゆっくりできる週末を楽しみに、忙しい新生活をしのいでいる人も少なくないはず。週末ぐらいは、1、2時間ぐらいの寝坊は、むしろ取った方がいいとわたしは思います。
スウェーデンの研究でも、平日は睡眠時間が5時間未満であっても、週末に8時間以上眠っている人の場合、死亡リスクは上昇しないという結果が発表されています。
この結果を見ると「3時間以上の寝だめでもいいじゃない」と思われるかもしれませんが、わたしはそうは思いません。休みの日、たとえば土曜日に昼過ぎまで眠ってしまうと、当然ながらその日の夜は寝つくのが遅くなります。深夜にようやく寝て、次の日曜日はもっと遅く起きる。そして日曜の夜はずっと寝つけず、月曜は寝たか寝ないかわからないまま出勤……。
おそらくその一週間は、睡眠リズムの乱れを引きずったまま、調子の上がらない一週間になる可能性大です。週末の寝坊は、2時間まで、多く取ったとしても3時間までにしましょう。逆に、平日と同じ時間に起きることはないと思うと、気持ちが少しは楽になると思います。