安定したリターンを得るには分散投資が重要で、その選択肢の一つがREIT。月1000円から始められる手軽さもあるというが……。

不動産投資は、安全なのか

シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営していたスマートデイズの経営破綻騒動で改めて注目を浴びた不動産投資。1億円もかけて物件を取得する不動産投資はハードルが高いと思うが、もっと手軽なやり方にREIT(不動産投資信託)がある。

REITは多数の投資家から資金を集めて物件を取得し、賃料を投資家に配当として支払う仕組みだ。

REITは投資信託ならば1000円から投資ができる。そこでREITに投資をするメリットを考えてみたい。

最初に全体像を説明すると、資産運用の対象になるアセットクラス(資産の種類)は10に分類される。株・債券・不動産、日本・先進国・新興国、このように性質と地域で分類して掛け合わせると3×3=9となり、コモディティ(商品)も加えれば10のアセットクラスになる。

現在ではコツコツ貯金をするように、毎月一定額の投信を買う積み立て投資がかなり一般的になっている。筆者が行っている個人向けの相談でも積み立て投資を行っている顧客が訪れることは珍しくない。ただ、アセットクラスの選択については不安を感じている人も多い。そこで重要な考えが分散投資だ。

いまさら分散投資なんて……と感じる人もいるかもしれないが、その意味を正確に理解している人は必ずしも多くない。そこで個人投資家が株から投資を始めて不動産投資に至るまでを考えてみたい。

手始めに個人投資家が日本企業の株を買ったとする。この状態ではその企業の業績で投資の結果がほとんど決まってしまうため、1社よりも5社、5社よりも10社といった具合に、投資先を増やして分散投資をしたほうがいい。