行列OKな男と、行列NGな女が付き合うと……

さて、冒頭の「自分とウマが合うか」「深い関係になれる相手か」という視点に話を戻そう。仮に「行列を厭わない男」と「行列が大嫌いな女」が付き合うことになったとする。ちなみに二人とも「安くておいしいものが好き」という点では共通している。となれば、こんな会話が想像できるだろう。付き合い始めてまだ間もないころの話だ。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/PeopleImages)

男:今度の土曜日、肉フェスが××公園であるから行こうよ。

女:え~っ、この手のイベントってすごく混むんでしょ? 1時間半とか2時間待ちが当たり前だったりするし、まだ暑そうじゃない。肉を食べるんだったら○○亭のステーキでも食べに行こうよ。

男:いや、今年は神戸ビーフを出す△△軒もわざわざ神戸から出展しているし、何しろ幻の和牛といわれる■■牛のハンバーガーを出す店まで出ているんだよ。

女:(面倒くさいなー。でも付き合い始めたばかりだから、彼の希望にあわせるか……)わかった。行こうね。

一例として、肉フェスでのデートを再現してみる

そして当日、最高気温32度なんて予報も出ているなか、最寄り駅を降りると会場の××公園を目指す人ばかりである。女は「途中に百貨店もいくつかあるし、みんなそっち行くんだよね」と希望的観測を持ったりもしたが、残念ながら百貨店を通り過ぎても人が減る気配は見られない。やはり皆、肉フェス会場の××公園へ向かっているのだ。

会場に着いたところで、男は「オレは○○亭の列に並ぶから、キミは△△軒に並んで。事前に下調べしたから注文したいものはもう決めてあるんだ。△△軒では『アボカドスパイシーバーガーセット』と『A5スペシャルバーガーセット』を頼んでおいて。半分ずつ食べようよ。並びなおすのは面倒だから、ビールはお互い2杯ずつ買っておこう。先に買えたほうが席を取るということで。席の場所はLINEで送ってね」などと、喜々としながら女に指示をする。

しかし、この手のフェスでは、超人気店と人気店と不人気店では並ぶ時間がまったく異なる。女は1時間で男が指定したハンバーガーのセットとビール2杯をゲットし、席探しを開始。12分後に3人の女性グループがいた席が空き、そこにハンバーガーセット2つとビール2杯を置いて「もうすぐ、私の連れも来るので、決して一人でここを専有しているワケじゃないのよ」という空気を醸し出す。そして、「○○池の近くに席が取れたよー」とLINEで男に連絡する。