このように、目的地によって最適なルート選択をする必要はあるものの、自転車通勤では乗り換え電車を逃してイライラすることも、他人のイヤホンからの音漏れに心を乱されることもありません。誰にも邪魔されず、目的地へ進む自転車通勤には満員電車にはない爽快感によって、頭もクリアになる気がします。

ただし、このテストは猛暑日に行ったため、かなり汗をかきました。スーツ勤務の場合、夏場は着替えやアンダーウエアといった対策は必須。

今回は10キロメートル超の通勤を仮定しましたが、10キロメートル以下で乗り換えのある通勤の場合は小回りが利く自転車通勤の有利な点を生かせそうです。

また、自転車通勤は遅延のリスクがほぼないのもメリットです。交通状況や信号によって5分前後の遅れはありますが、電車と違い何十分も遅れることは考えづらく、商談や打ち合わせがある日に大遅刻をするリスクも減らせます。

自転車通勤には金銭面でのメリットもあります。メーカー希望小売価格10万440円のナチュラM(ヤマハ)を買って調布―原宿を自転車で通勤した場合、1年間の定期代である約13万円より安くなります。また年間の3分の1を雨の日と仮定し、電車通勤に切り替えたとしてもトータルコストは+3万円程度(年間休日120日の場合)。手元に自転車が残るぶんだけ得と言えます。2年目以降は購入コストがかからず、買い物等にも使用できると考えると、メリットは大きいです。

毎日のことだからこそ、ストレスは極力減らしたい。通勤距離が15キロメートル以下の場合、自転車通勤は十分選択肢に入るのではないでしょうか。

山野祐介
行動するお金博士
1991年生まれ。自らの節制生活をもとにした「1週間食費0円生活」を月刊誌で連載中。節約術やお金の最新事情に精通。
(写真=iStock.com)
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