多くの企業が「女性の活躍推進」を謳っているが、実情はどうなのか。東洋大学が独自の指標から約1000社の大企業のうち、女性活躍推進度の高い企業50社を選び出した。日本総研の小島明子研究員は「製造業と非製造業では推進度が大きく違う。さらにローソンのように8割が男性という会社でも推進度が高いケースもあり、きわめて興味深い」という。ランキングの詳細を報告しよう――。

今、女性が本当に活躍できる企業トップ10

2016年に女性活躍推進法が施行されて約2年半が経過しようとしています。

厚生労働省「女性活躍の推進企業データベース」によれば、「女性活躍推進法」に関連した情報公開を行っている企業数は9541社(2018年8月2日時点)に上ります。多くの企業が、女性の活躍推進に向けて取り組んでいます。

こうした中、東洋大学の人間価値研究会ダイバーシティ研究グループ(※)は、今年8月、「女性活躍インデックス」による法人ランキングを発表しました。これは厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」の18項目の中から、女性活躍を示す項目を抽出し(下記参照)、これらを独自の計算式によりポイント化したものです。

※《人間価値研究会(会長=福川伸次 理事長)ダイバーシティ研究グループ(座長=松原聡 副学長)》

抽出項目は以下の通りです。

・女性の平均勤続年数(または、女性の採用10年前後の継続雇用割合)
・男性の平均勤続年数(または、男性の採用10年前後の継続雇用割合)
・管理職に占める女性労働者の割合
・役員に占める女性の割合
・労働者に占める女性の割合
・男性の育児休業取得率
・女性の育児休業取得率

東洋大学によると、今回分析対象とした法人は、「女性の活躍推進企業データベース」に2018年3月末日現在登録されている8963法人から従業員1001人以上の2639法人を選び、さらに女性労働者の割合が80%以下、かつデータベースの主要項目に回答している1078法人とした、ということです。

同大が1078法人から選んだ上位50法人のうち、トップ10は図1の通りです(20位~50位は後述)。

このうち1位の賃貸マンション建設・仲介業大手「東建コーポレーション」は、男性の育児休業取得率が100%に上る点が特徴です。ホームページ上で、「パパ・ママサポートブック」を作成し、その内容を全て開示するなど、男女問わず子育て支援に取り組む姿勢がうかがえます。

2位の中国料理のレストラン経営・加工販売の「銀座アスター食品」では、役員や管理職に占める女性の割合が3割を超えており、女性の登用が進んでいます。