ローソンは男性の育児休業取得率が8割を超える

今回の東洋大学の調査では、スコアを独自の計算式でポイント化しており、2017年と2018年の比較ができるようになっています。例えば、「女性の平均勤続年数」は、0.79ポイントから0.82ポイントに、「女性育休取得率」は0.59ポイントから0.63ポイント)に、それぞれ上昇しています。それだけ女性が育児と仕事を両立しやすい環境づくりが進んでいると考えられます。

男性の育児休業取得率が8割以上のローソン(写真=iStock.com/tupungato)

しかし、「女性役員割合」については、0.22ポイントから0.23ポイントと、上昇度合いは最も小さくなっています。年齢や経験とともに、女性役員に登用(あるいは外部から採用)できる人材が不足していることが影響していると考えます。

課題が最も浮き彫りになったのは「男性の育休取得率」です。

17年0.05ポイント→18年0.09ポイントと上昇率はごくわずか。厚生労働省の「雇用均等基本調査」を見ても男性の育休取得率は3%程度なので、今後のさらなる努力が求められます。

その意味で、「女性活躍インデックス 法人ランキング2018」で3位となったローソンの「男性社員の育休取得率8割」という数字は高く評価できます。取得率が8割を超えているのは、2017年度、2018年度と2年連続です。

同社のサイトによれば、全社員(単体)の8割は男性です。男性社員の意識改革を図るには、育休取得率を上げることが必要だと考えたのでしょう。

同社には他にも、1日3時間までの時短勤務が可能な「育児時短」や、週3~4日勤務が可能な「勤務日数減少」という制度があります。いずれも小学校3年生以下の子供をもつ社員が希望した場合に使うことができるそうです。

さらに女性社員限定の幹部候補養成研修の開催や、育児休職中の社員向けに会社の情報提供など、女性社員の活躍推進に向けた取り組みも積極的に行っています。

女性活躍を進める上での重要な課題は「男性の働きやすさ」

今後さらに女性の活躍を推進していくためには、男性が育児休業を取得しやすい環境づくりを進め、男性の育児参加を促し、女性の家事や育児の負担を軽減することが必要ではないでしょうか。