亡くなるまでの40日間、兄弟の部屋に監禁された
彼女は足立区・綾瀬の一軒家に連れこまれてしまう。ここはAとBの不良仲間、無職・16歳Cと、都立高校3年のD・17歳の兄弟の自宅である。
1階に両親が住み、2階の2間が兄弟の部屋。F子さんはその日から亡くなるまでの40日間、そこに監禁されてしまう。
「監禁中、被害者は、何人もの少年に強姦されているんです。十六歳から十八歳までの不良仲間十数人がしょっちゅう出入りしていて、そのたびに、夜昼関係なく代わる代わる輪姦されたんだから、被害者にとっては地獄そのものですよ」(捜査関係者)
彼女はすきを見て一度、階段を下りて逃げようとしたことがあった。だが、階段を下りかけたところで捕まり、少年らにひどく殴られた。
彼女は監禁されている間に3回、自宅に電話をしている。1回目は捜査願を出して間もなく、「すぐ帰るから心配しないで」。2回目は、「もう2,3日で帰る」。3回目は母親がしかりつけると、彼女は「誘拐されたんじゃないから、心配しないで。どうして捜索願なんか出したの?」と逆に聞き返したという。
だが、その言葉に続けて彼女が「友達の家にいるの、助けて」というと、電話が切れてしまった。
悪賢い連中である。捜査がどうなっているのかを知りたくて、彼女に電話をさせた。だが、「助けて」という言葉は予想外だったのであろう。
両親が1階に居ても、2階で監禁が続いた
事件発覚後、CとDの両親は下で暮らしていたのに、なぜ気が付かなかったのかという怨嗟の声が噴出した。
父親は薬剤師の資格をもった病院事務員、母親は看護婦として同じ病院に勤務していた。
弟のCは気性が荒く、母親が自分の部屋に入ったことを知って殴る蹴るの乱暴を働き、以来、両親は子ども部屋に近づけなかったそうである。
12月始めには、2階から女性の奇声のようなものが聞こえ、父親が注意をしに行ったが、内カギをかけられて入れなかった。
意気地のない呆れ果てた両親である。12月末には、2階に女の子がいるようだとわかり、2階に声をかけた。CとF子が下りて来て、両親と一緒に食事をしたそうだ。
その間、彼女はひと言もしゃべらなかったが、おかしいとは思わなかったのだろうか。
トイレは1階にしかないから、彼女が下りていく姿を1度や2度、両親は見ているはずである。そういう意味では、両親も共犯といえるはずだ。