投資信託には株式に投資するタイプや、債券に投資するものやリート(不動産投資信託)を投資対象とするものなどがあるが、どのようなタイプが適しているかは年代やリスク許容度によって異なる。
株式の比率が高いほどハイリスク・ハイリターンになる。20~40代半ばまでは、全額を株式に投資していいだろう。40代後半では株式が5割、50代半ばでは3割を目安にしたい。もちろん、資金に余裕があってリスクが高めでも問題ない人などは、株式の比率が高くてもいい。
日本株だけでは高収益が期待しにくいので、全世界株式(四十数カ国)で構成される株価指数に連動するインデックス投信1本に投資するか、または先進国のインデックス投信と新興国のインデックス投信を組み合わせるのもいい。
リスクを抑えたいなら全世界株式のインデックス投信に7割、国内債券のインデックス投信に3割程度の比率にするか、株式や債券に幅広く分散投資するバランス型投信(株の比率が7割程度のタイプ)のいずれかがいいだろう。
日本株については、銘柄選択によって指数より高い収益をめざすアクティブ運用型の投信も選択肢に入れるのが理想的。過去の運用成績を確認して、優れた投信を選びたい。
こうした投信選びも含め、iDeCoをはじめる際には投資に関する本を一読されることをお勧めしたい。iDeCoの入門書ではなく、資産形成について総合的に学べるものが適している。金融機関のセミナーに参加するなら内部の人ではなく、外部の専門家が話すものがいいだろう。
資産形成、資産運用についても経験は財産になる。お金と経験を積み立てるというスタンスが重要だ。
深野康彦
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルリサーチ代表。『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』など、著書多数。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルリサーチ代表。『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』など、著書多数。
(構成=高橋晴美 写真=iStock.com)