6月18日午前7時58分頃に発生した、最大震度6弱の大阪北部地震。多くの死傷者が出たほか、地下鉄の運行見合わせにより、帰宅困難となった人も多かった。勤め先で巨大地震が起きたらどうすべきなのか。2011年の東日本大震災の教訓を踏まえ、考察する――。

勤め先で巨大地震が起きたら、帰るべきか泊まるべきか

※写真はイメージです(写真=iStock.com/zodebala)

最大震度6弱を観測した大阪北部地震は市民生活にも多大な影響を与えた。テレビニュースでは、「浪速の名橋」といわれる全長800メートルの新淀川大橋にできた長蛇の列が映し出された。地下鉄御堂筋線の運行見合わせで、「帰宅困難」となる人が多かったのだ。この光景が、7年前の東日本大震災のレインボーブリッジでの様子と重なった人も多いのではないか。

日本の場合、会社から何も指示がなければ、歩いていける距離であればそのまま出社する社員も多いだろう。大阪の地震でも、上司から「自宅待機で構わない」というメールを受け取ったが、重要な仕事があると言って。2時間以上歩いて出社した人がいた。

だが、問題は帰宅である。

▼2011年東日本大震災の帰宅困難者は首都圏で約515万人

帰りの交通機関が麻痺していると、帰宅困難者が多数発生する。一斉に帰宅すれば、道路が人混みで渋滞し、事故も発生しかねない。ましてや遠距離ともなれば、夜中などのような災害に見舞われるかわからない。会社としても通勤途上の社員の災害に神経を使わなければならない。

2011年に発生した東日本大震災時は首都圏で約515万人(内閣府推計)の帰宅困難者が発生した。このとき家族の安否が気になり、一刻も早く帰りたい社員と、社員の安全を考えて対応を迷う会社側との間で多くの混乱が見られた。

社員や会社はどう対応すべきなのか。当時の企業の事例を紹介したい。