前原さん・小池さん・松井さんは、屍になる覚悟で密約を結ぶべき

(略)

細野さん、若狭さんは焦って仲間を集めだしているが要注意だ。もちろん政党には5人の国会議員を集めなければならないので、本来は落選確実な実力のない議員も入れ込まなければならない事情もあるだろうが、それは極力最低限にすべきだ。

まずは小選挙区でも勝ってきた議員を中心に核を作る。そして原則、チョロネズミや実力がないのにうるさいだけの議員は入れない。彼らを今度の選挙で日本の政治から一掃するのも、小池新党の役割だ。どうしても5人集まらなければ、自分の立場をちゃんと弁えているチョロネズミだけを最低限の人数入れてあげる。あとは苦しいけれど、小池さんへの期待と重なる新党の若々しさを大切にして新人候補者を発掘する。今回の一発の選挙で政権交代などあり得ない。次につながる新党にして欲しい。ガラクタを入れてしまうと次につながらない。

ガラクタ集団では期待は高まらない。経験のあるガラクタよりも、経験のない未完成品の方がずっとまし。

無責任なコメンテーター的な意見だけど、これが僕が新党を作った経験を基に今言えることだ。

さて、新党立ち上げの際はどんなメンバーで、どんな映り具合になっているか。小池さんが関与するなら、日本に健全な野党を誕生させるための賢明な判断が下されることを期待する。今、小池さんの下に集まろうとしているガラクタを、日本の政治から一掃することも日本のためだ。

さらには民進党を率いる前原誠司さんがキーマンだ。旧民主党が政権を獲ったときの中心メンバーであり、閣僚経験もある。また現在の民進党には閣僚経験者が何人もいるし、小選挙区で連続当選している実力議員も何人もいる。

政権交代可能な2大政党制の一翼を担う新たな野党を作るためには、大阪で一定の基盤を築いた維新の会の松井一郎大阪府知事、これから新党を作る力を持つ小池さん、そして実力議員が複数いる民進党の代表である前原さんが、10年スパンでの構想を描き、その最初の第一歩を踏み出せるかどうかにかかっている。そして三者の間で最も重要なことは、譲歩・妥協である。自分たちの勢力を広げることだけを考えていたら、永遠、新しい強い野党はできあがらない。

自分たちの代で完成させるのではなく、次の代で形が見えるような、きっかけを今作っていく。自分たちは屍になる覚悟で。

今は、いきなり一つになるのではなく、3つのグループに分かれて、それぞれが強固なグループを作っていく。弱いグループが一つにまとまっても弱い政党のままで意味がない。強いものが一つにまとまってこそ強い政党ができあがる。将来の強い野党の芽となるよう、今は3つのグループが共倒れしないよう譲歩・妥協する。これらの方針で、前原さん、小池さん、松井さんが協議ができるかどうかが日本の政治の未来を決する。

しかもこの協議は密談で、そして約束は密約でなければならない。密談・密約の中身は次のような方向性であるべきだ。(「後編」に続く)(ここまで約4000字、メルマガ本文は約1万6000字)

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.73(9月26日配信)を一部抜粋し簡略にまとめ直したものです。もっと読みたい方は、メールマガジンで!! 今号は《【2017年総選挙(1)】落選・比例復活のガラクタ集団では「新党」の意味なし!=前編》特集です。

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