毎月最終金曜日の早帰りを推奨する「プレミアムフライデー」。第1回の2月24日に早帰りした人は3.7%だった。それでも「プレ金」を続けている企業がある。その狙いはなにか。活用のポイントを探った──。
毎月最終金曜日、終業時間を15時に繰り上げる「プレミアムフライデー」(PF)。経済産業省や経団連が主導する官民挙げてのキャンペーンで、働く人のプライベートを充実させ、消費喚起にもつなげるのが狙いで、2017年2月24日に第1回が実施された。
PFの趣旨に賛同し、積極的に取り組んでいる大企業の代表がソフトバンクだ。「PFには15時に一斉退社するよう社員に推奨しました。そうすれば、社員同士で出かけやすくなるからです」と、同社人事管理部労務厚生企画課長の石田恵一さんは話す。
当日は社員約1万8000人のうち、半数以上が早帰りしたと見られ、「15時過ぎには、本社のエレベーターホールが社員で大混雑しました」(石田さん)。同社は、社員の帰宅を促すイベントも行った。本社の社員食堂では、15時からPF向けの特別メニューを提供。パティシエが作った限定スイーツは、30分ほどで完売したという。
同社は2016年10月から、「スマート&ファン!(仕事を効率よく、かつ楽しく行おう)」を働き方のスローガンとして掲げている。「社員には、生産性を上げて自分の時間をつくり、成長のための自己投資をしてもらいたいと考えています。それがイノベーティブ、クリエーティブな仕事につながるからです」(同)。PFは、そうした同社の経営方針に合致しているという。
とはいえ、PFを満喫しているビジネスパーソンは一握りに限られている。市場調査会社のインテージによれば、職場がPFを実施したり、推奨したりしたという人は全体の10.5%。2月24日に早帰りした人は、3.7%にとどまる(図参照)。「笛吹けども踊らず」というのが現状のようだ。