※当記事は「AF TECH」の提供記事です。
急速な人口増加と、それによる医師不足。アフリカの医療業界には、多くの問題が存在している。病院には長蛇の列ができ、遠方からはるばる訪れてもその日に診察を受けられないこともある。
ケニアでは、緊急の症状の悪化や事故等が発生した際に、救急車を呼んでも正しく到着できなかったり、ひどい渋滞でかなりの時間がかかったりすることがある。あまりのひどさに、これを解決するために「救急車版Uber」とでも呼ぶべきサービスが生まれたほどだ。
そのほかにも、ケニアでは健康保険の加入者数が全人口の5%と、とてつもなく低い数字をたたき出している。またそもそも、病気を予防する、もしくは予防のためにお金を使うことはしない、というのが一般的である。
そんなアフリカで登場した要注目の医療系スタートアップが、以下の3つだ。
【1】Kangpe
ナイジェリア発のヘルスケアアプリ。いかなる地域の人も必要な医療を受けられるようにするために、モバイル端末を用いたチャット形式の診療サービスを提供している。このアプリは、フェイスブックが新興国で提供する無料のインターネットアクセスサービス「Free basics」とパートナーシップを結んでおり、ネット接続なしで利用できる。シリコンバレーのスタートアップ養成所「Yコンビネータープログラム」から出てきた「Kangpe」は、多くの課題を抱えるアフリカの医療分野においてITを駆使した解決策を見いだしているのだ。
もともと医師であった創設者のkuti(クティ達や患者からよくチャット上で症状に関する相談を受けていたことから、アイデアが生まれた。現在のユーザーは約6万人。ナイジェリアのほか、ケニアとガーナでもサービスを展開しており、潜在的に2億4700万人のユーザーがいるという。このプラットフォームを通じて、初期の医療サービスの提供や保険の提供、必要な医療サービスを提供していきたいとのことだ。