コンパクトカメラBiG miniのデザインを担当したコニカミノルタグループ・平賀明子。冷凍食品の雄ニチレイフーズ・武永早苗。世界市場で成長著しい村田製作所・水野健一。次世代の日本を背負ってたつ俊英が結集した。

日々の業務では決して触れることのない世界最先端の経営学講義は、先行き不透明な企業経営の解決策を見出した。時間と場所を選ばない講義、読書、討論の相乗効果は受講生の何を変えたのか。

<strong>デザインセンター センター長 平賀明子</strong>●1960年、群馬県生まれ。84年小西六写真工業(現コニカミノルタHD)入社。主にカメラのプロダクトデザイン開発に従事。96~2000年、慶應大学非常勤講師。
デザインセンター センター長 平賀明子●1960年、群馬県生まれ。84年小西六写真工業(現コニカミノルタHD)入社。主にカメラのプロダクトデザイン開発に従事。96~2000年、慶應大学非常勤講師。

「大前経営塾で学んでいると『発見』が多いんです。たとえば私はデザイナーなので、政治や経済についてはニュースの解説で知ることができるような表面的な理解しかできていませんでした。でも大前さんの講義や文章に接したことで、社会の仕組みとか、世界がどう動いているかについて、突っ込んだ認識を持てるようになりましたね」

コニカミノルタグループの研究開発部門を担うコニカミノルタテクノロジーセンター。東京・西新宿のオフィスで、デザインセンター長の平賀明子(50歳)が、きびきびとした口調でこう語る。

平賀は経営コンサルタントの大前研一がネット上に開設した「私塾」である大前経営塾を2010年4月から受講している(17期)。コニカミノルタが経営幹部候補に課している選抜研修の一環だ。

「発見」を経て、平賀の考えはどう変わったのか。

「私たちメーカーの人間は、新しい技術や材料を開発し、それをもとに新しい事業をつくり出そうと考えます。しかし大前経営塾で学ぶにつれ、それだけではだめなのではないかと思うようになりました。世界の動きを知り、どこへ向かっているのかをまず理解したうえで、そのなかで人間はどちらを向けば幸せになれるのかを考える。そして、それに対して何を提供するべきか、何を提供するべきではないかを発想していくアプローチも必要なのではないか、ということです」