【胆識をもて】

立派な幕賓の最も重要な資格は、「胆識」をもっていることです。では、胆識とはどのようなものでしょうか。

知識は、断片的なことを記憶しているというだけの単なる大脳の働きにすぎず、それだけでは行動力へとつながりません。しかし、精神活動に理想が生まれ、志をもつようになると、それが知識と結びついて、道徳的・心理的判断ができるようになります。それが「見識」です。見識は人から借りることもできないし、付け焼き刃で身につくものでもありません。修業する以外に見識を身につけることは不可能なのです。