【見出し篇】レッスン1:切り口別に分類する

企画書、プレゼンのタイトルや短い商品説明など、相手に伝わる言葉を見つけたいと思ったときは、まず思いついた言葉をロジックや関連性を気にすることなくすべて書き出してみよう。終わったら、それを切り口ごとに分類してみる。100通りの言葉を書いたつもりでも冷静に分類すると、実は3つくらいのパターンで同じようなことを書いていたりする。行き詰まったときは、切り口を意識して書こう。1つの切り口に対して3つの見出しを書く。

 ▼切り口の一例 

「英語ができると得をするタイミング」を切り口に
「英語ができるとトクをするのは、中学より高校より大学より、社会人のときです。」

「経済的な損失」を切り口に
「円高のチャンスを、私はうまく利用できていないと思う。」

「英会話での失敗」を切り口に
「YESと言い続けてたら、警察が来た。」

【見出し篇】レッスン2:声に出して読んでみる

書かれている文章は、フォントや字面など、見た目に注意がいくことはあっても大体が黙読されて、音が意識されることは少ない。資料なので当たり前といえば当たり前だが、「人に伝わりやすい内容は、音的にも心地いいはず」(渡邉さん)。見出しを声に出して読むと、その言葉の持つリズムや音の響きが理解できて、読んでいるだけではわからない発見がある。自分で書いた文章も音読することで、リズムの悪い部分を修正でき、結果として全体のクオリティも上げることができる。

【見出し篇】レッスン3:強い事実を書く

あるマラソン大会で、20代男性より60代男性の平均完走タイムのほうが速いという事実を知った渡邉さんは、その数字をそのままコピーにして提案したことがある。人が驚くような強い事実は、きれいな言葉で装飾して表現せず、そのまま使ったほうが見出しとして映えることも多い。一見して商品そのものに派手な特徴がなくても、徹底的に調べていくと興味深い事実にぶつかるものだ。特に数字は伝わりやすい情報なので、積極的に探したい。

 ▼事実の強弱で 

「140円のチョコレートです」→誰もが知っている事実で、弱い

「140円だけどカカオを90%使っている」→事実が増えて、ちょっと強くなった

「140円だけど有名パティシエがプロデュースした」→さらに強い事実が加わった

【文章篇】レッスン4:書き出しを10個書いてみる

「この企画書の目的は~」「現在、主要ユーザ数は~」とおなじみの文章が並ぶ企画書の冒頭。しかし企画書の目的は、読み手の心に訴えて企画を実現させること。フォーマットにこだわらず、「人を動かす」ことを重視したほうがよい。

時系列にこだわることなく、たとえば「○年後、100万人が使えるサービスになる」のように未来の話から入るのも、最初からゴールを伝えられるので効果的だろう。試しに10個書いてそこから選んでみよう。必ずよりよい内容になるはずだ。