【文章篇】レッスン5:居酒屋で企画書を書く
同じ場所でアイデアを練っていると、次第に煮詰まって新しい発想が生まれにくくなるもの。そこで書く場所を変えると、新しい視点や柔らかい発想が湧いてくることがある。渡邉さんのお勧めはオフィスとはかけ離れた環境でリラックスできる居酒屋。新人の頃、先輩に「会社にいても仕方がないから外へ行けば?」と言われたそう。「複数人で行ってもいいですね。お酒の入った席で『この案件、どう思う?』と聞けば、正直な意見や発想が出やすくなる」(渡邉さん)。ただし翌朝になって忘れがちなので、メモは必須。
【文章篇】レッスン6:スペック説明に陥らない
「このコーヒーは××農園で作っていて、××製法で挽いたものです」と力説しても、コーヒーに興味がある人は関心を向けるかもしれないが、それ以外の人には響かないだろう。商品と普段接点のない人に価値を伝えるには、スペックを語らないことが肝心だ。「飲んだ人はどう感じるのか」「飲むとどんな効果があるのか」など、知らなくても共感できるポイントを探し、言葉にする。そうやって橋渡しすることで、圏外にいる人にも初めて価値が伝わる。説明だけで終わらずに、相手に届く言葉を添えるようにしたい。
▼要約だけではNG
×「●●というタイトルで、主演は○○、監督は××で始まりは■■、ラストは▲▲な映画を見た」
◎「すごく恋をしたくなる映画を見た」
【文章篇】レッスン7:企画を5秒(1行)で言い表す
「いい企画は1行で説明できる」と言われるように、企画は自分の中でかみ砕いて、本質を端的に言い表せることが大事。「でも最初から1行や5秒で説明できるわけではありません。そこに至るまでには労力が必要です。僕の場合、アイデアを頭の中に入れて、3日間、ことあるごとに思い出しては考えるようにしています」(渡邉さん)。ずっと考えていても煮詰まってしまうので、1つの企画に執着せず、同時に複数の案件を考えてみるのもいい。全く違う仕事で思いついたことが、別の機会に生かされたりすることもある。
【文章篇】レッスン8:制約条件をつくる
「なんでもいいからおもしろいアイデアを出せ!」と言われたら、おそらく大半の人は戸惑うだろう。完全に自由な状態は、逆に考え始めるきっかけが見つからないからだ。それよりも、何かしらの制約条件があったほうが発想は広がりやすい。企画書を書く際も、自分から「部長以上の年代にウケるように」「サービス対象はスーツを着た人だけをイメージして書く」など、実現可能かはさておいて大胆な縛りを自分にかけてみよう。意外なアイデアが浮かび、すらすらと文章が組み立てられるかもしれない。