リゾート地で優雅に避紛ライフを過ごせるプランも

的山大島のように、町おこしの観点から「避粉」を目玉にするツアーがある一方、完全なリゾート地で避粉地ツアーを行う企業もある。

株式会社ユニマットプレシャスが運営する沖縄県・宮古島にあるシギラリゾートの「シギラベイサイドスイート アラマンダ」では、「花粉症対策特典付き連泊プラン」を提供している。対象となるのは、2月1日から5月31日までの間に、同ホテル内のジャグジーが付いた客室「ジャグジースイート」に3泊以上のロングステイをした宿泊客。特典の内容としては、同地の温泉利用券、宮古島の健康茶プレゼント、双眼鏡の無料貸し出し、客室の空気清浄器などだ。

沖縄県・宮古島にあるシギラリゾート。

「宮古島にはスギが生息する環境がないため、スギ花粉の飛散がありません。また花粉症の時期にあたる春先の宮古島は平均気温が20度を超えるため、温暖で、かつ暑過ぎず、加えて台風の心配もない、とても過ごしやすい季節です。そこで、花粉症でお悩みの方が心身ともにゆっくりと安らげる場所として、宮古島での滞在をおすすめしたいと考えました」(同社広報担当)

なお、この花粉症逃避プランは2015年からスタート。今年で3年目を迎えるが、花粉症対策特典は参加者から非常に好評とのこと。宿泊料金は2名利用の場合、1泊1人2万6500円(朝食付き)からだという。

「過去2年間は、同リゾート内のカジュアルホテルやコンドミニアムタイプのホテルで実施していたのですが、今年からは全室スイートの『シギラベイサイドスイート アラマンダ』を対象にしています。花粉症にお悩みの方は、一般の方よりも心身ともに疲れていらっしゃる方が多いはず。普段、屋外にいるのがつらい方も、花粉のない宮古島であれば、露天風呂や客室テラスの屋外ジャグジーで贅沢な時間を満喫していただけるのではないかと思った次第です」(広報担当)

ちなみに、特典プランのなかでもとくに評判がよいのが、宮古島のお茶・ビデンスピローサ茶だそう。

「このお茶は花粉症によいとされており、実際に特典を利用されたお客様から『おみやげに購入したい』という問い合わせもよくいただいております。花粉症人口も年々増加傾向にあるといわれていますし、花粉でお悩みの方に、春先の宮古島での快適ステイをぜひ知っていただきたいので、来年以降も続けていきたいですね」(広報担当)

昨今は花粉症人口の増加を受けてか、ほかにもこうした「避粉地ツアー」を実施する企業が増えてきている。たとえば、阪急交通社では、北海道・釧路プリンスホテルで花粉ゼロの冬季滞在ツアーを予定。すでに今年1月の時点で、120人以上の申し込みを集めたという。

また、企業だけでなく自治体が取り組む事例もあり、東京・小笠原諸島では、スギやヒノキなどの木々が存在せず、本土から花粉も飛んでこないため、「花粉が少ない土地」としてのPRを進めている。

すでに申し込みが締め切られたものもあるが、「日常の外出ですらツラいのに、レジャー参加などまず無理」と諦めている花粉症患者にとっては、こうした各種ツアーが増加しているのは朗報と言えるのではないだろうか。

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