できる男はこのタイミングでお金を使う
できる男の人のお酒の飲み方として共通しているのは、潔さです。高級クラブだけに値段がそこそこ高いのは事実です。元を取ろうと長い時間粘りたくなる気持ちもわかりますが、できる男の人は長居をされません。「値段」ではなく「時間」を大切にされるからです。
特にお店が混んでいるときには、次の人に席を空けてあげる粋な飲み方というのは、店にとっては一番嬉しいことです。「いらっしゃいませ」と私たちが声を出すと、お店に入ってきた人を見て、「ほな、帰ろか」と言ってくださる。狭い店では、お客様のそういう心遣いがとてもありがたいものなんです。
気遣いで、もうひとつ嬉しいのは、お客様が少ない日に来店されて、いつもよりホステスが多くついた場合です。沈んでいる店内の空気を察知して、普段のボトルではなく、「ここはちょっと気合入れて、シャンパンいこか」と気張って飲んでくれるとありがたいものです。店の状況を判断して気を使ってくださる人は、本当に粋なお客様ですよね。
ここに注意!おしゃれな人の落とし穴
クラブに来られる方は、おしゃれで清潔な人が多いですよ。スーツやコートはいつもピシッとしたものを着て、手入れの行き届いた靴を履いてらっしゃいます。
人間は「見てもらいたい。わかってもらいたい」という気持ちを多くの人が持っています。「ホステス心得帖」にも〈お客様は、自分の何か(持ち物・人柄・仕事・容貌…その他あらゆるもの)について、それをいち早く認められ、ホステスに誉められたいものである。……〉とありますが、男の人のその思いをわかるように努力をしています。『世界の一流品大図鑑』を読んだり、ブランドものをよく見て歩いています。ホステスさんたちにも、「『いい靴履いていらっしゃる』とか、『ああ、どこどこの○○ですね』というのがわかるぐらいの勉強をしましょうね」と話しています。しかし、そればかりを話題にしていると、お客さんも窮屈に感じるでしょうから、兼ね合いには気を配っています。
ところで、おしゃれな人でちょっと気になるのが、過剰にオーデコロンをつけている方ですね。加齢臭というのでしょうか、その臭いを気にされ、店に入る前に付けられるのでしょう。身だしなみに気をつけてくださっているのは伝わるのですが、少ない量で充分だと思いますよ。
なんといってもお客様に対する評価が出るのは、どうしてもお勘定の払い方になります。今では、クレジットカードの支払いが主流になりましたが、かつてはキャッシュかツケ払いでした。お勘定はツケ払いよりもキャッシュのほうが喜ばれると言われますが、しっかりしたお店では、必ずしもそうではありません。
キャッシュ払いだと、その人の足跡が残りませんから、店からすると、どのような方なのか理解しにくくなるのです。
ツケにしてあれば、支払いを記したノートを繰れば、「この人は若いのに実に几帳面に勘定を払ってくださる」などすぐにわかります。そうなれば、店に他のお仲間とお見えになっても、「いらっしゃい」と迎える女の子の声にも力が入るものです。つまり、ツケのほうが店に対して信用がつくということなんです。いずれにしろ、仕事のできる男性はおカネにきれいで、ホステスにもて、品格、気遣い、優しさが半端ではなく、人を引きつける魅力にあふれていらっしゃいます。