ファーストクラスといえばビジネスの成功者の証し──。その特別な知られざる空間で、彼らはどんな気遣いを見せ、どう振る舞うのか。元国際線CAが長年の乗務から分析したビジネスエリートの“かっこいいマナー”とは……。

自信にあふれた姿勢、的確に伝わる話し方

ファーストクラスのお客様を見ていると、たしかにほかのクラスとは明らかに見た目が違い、「かっこいい」ところがあります。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンによると、人の印象を決定づける情報は「目からの情報」が55%、「耳からの情報」が38%、「言葉の内容」が7%という割合に分けられますが、ぱっと見の第一印象が大きな割合を占めていることがわかります。しかし、ぱっと見の第一印象はよかったものの会話した途端にその人の薄っぺらさが見えたり、つまらなさがわかったりして、「第二印象」でがっかりさせられたことも多くあります。

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この第二印象を保つのは本人の責任ですが、ファーストクラスのお客様で、第一印象がよく、さらに第二印象もよい人の共通点はまず姿勢がいいことです。キャビンアテンダント(CA)は搭乗機のドアサイドでお客様を迎えますが、ほとんどの人はボーディングブリッジを俯き気味に猫背で歩いてきます。その中に姿勢のいい人がいるので、「あの人はファーストクラスだろう」と推測すると、その通りファーストクラスの席に座ります。なぜわかるのかといえば、堂々と振る舞っている人は正面を向いており、目線の位置が高くなり、遠く先々まで見渡せるような視線の送り方をしているからです。よい姿勢は自信の表れであり、かっこいい男のオーラを形成する大きなファクターです。