▼これはもはや営業マンの心得帖だ!「ホステスの心得帖」

▽お客様との対応

お客様の名前は、一度で覚えること。一度覚えたら、3年間は忘れぬこと。覚える工夫としては、

a)繰り返し名前を言いながら話すこと。
b)さりげなく名刺を頂くこと。
c)覚えるまで名刺をしまわないこと。
d)役職名を間違えぬこと。

好みのお酒や嫌いなおつまみは忘れぬこと。2度目のご来店の時、注文のお酒の種類を訊くようでは、落第。

お客様の服装・持ち物について、正確な値踏みができること。そして、それを少々オーバーに評価してみせること。但し、知ったかぶりをしてはいけない。

お客様とお客様の関係を間違えぬこと。間違えたら、詫びても済まぬ場合が多い。信頼を築くのには時間がかかるが、怒らせるのは一瞬である。

▽飲み方と飲ませ方

週に1~2回は禁酒、もしくは節酒日を決めて、体を大切にしよう。休日はできれば禁酒。体を毀しても、誰も助けてはくれない。20代の不摂生は40代になって、てき面に現れる。

酔わなければ接待できないようでは、一人前ではない。世の中には、一滴も飲めないで抜群の売上げを達成しているホステスは、幾らでもいる。むしろ、そういう人の方が、お酒で誤魔化せないだけに真剣である。

▽座持ちのテクニック

座の白けは、ホステスの責任。ホステスは人形やアクセサリーではない。ホステスは、お客様が遊んでくださるからといって、甘えてはいけない。遊んでくださるなら、お客様にサービス料を払わねばならぬ。ホステスの遊ばせ方がヘタなので、逆に遊んでくださるサービス精神の旺盛なお客様も出てくるのだ。遊んでもらうのは、ホステスの恥だと思うこと。

もっともダメなホステスは、お客様の話の腰を折って、尋ねられもしないのに自分の事ばかり、トウトウと喋りまくるホステスである。雄弁なホステスより、寡黙にして、真剣に話を聞いてくれるホステスをお客様は好む。お客様の話は、顔を正面に向けて聞くのが良い。

お客様が「また来ようか」と思われるのは最後の5分間が勝負。席でどんなにふざけても、お見送りの時はケジメをつけて、キチンと丁寧に挨拶すること。お客様が振り返った時、
「また来よう」と思わせる殺し文句が言えて一人前。

自分のセールスポイントは何か、よく心得ておくこと。何もなければ月給泥棒である。

▽同僚からの評判

概して、同僚との付き合いは、充分に知り合う迄は深入りしない方が良い。何もかも開けっ広げていると、困ることができてくる。孤独に耐える強さがないと、必ず何かで失敗する。誰も頼りにしないというぐらい強いことはない。

▽お客様との私的交際

言いたくないことは言わなくてよい。しかし、ウソはダメ。

男の最低の姿を見て、すべてを判断するな。男は、その人が思っているほど立派ではないが、ホステスが考えているよりは高級である。

▽プロとしての資格

ウェイターなど、裏方の人たちに威張らないこと。人間は、自分より立場の弱い人に対する態度で、その人の値打ちが決まる。ホステスは、お金を貰っているプロであることを忘れないこと。プロとは、甘えを許されない人種である。

(吉田茂人=構成 熊谷武二=撮影)
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