7カンパニーを4つの事業に集約

東芝の事業部門は当時、「電力システム社(重電)」「社会インフラシステム社(送配電、太陽光、産業用の電気機器、鉄道関連などのインフラ関連)」「コミュニティーソリューション社(エレベーターや業務用の空調、照明、ビルなどの電気機器など)」「ヘルスケア社(医療用機器)」「セミコンダクター&ストレージ社(半導体関連)」「パーソナル&クライアントソリューション社(家庭用電気機器とパソコンとテレビなど)」「インダストリアルICTソリューション社(IOTなどカンパニーを横断的な技術)」の7つのカンパニーが存在した。

アクションプランではこうした7つのカンパニーを「エネルギーソリューション社」「社会インフラシステム社」と「インフラシステムソリューション社(旧社会インフラシステム社の一部と旧コミュニティーソリューション)」「ストレージ&デバイスソリューション」「インダストリアルICTソリューション」の4つに集約。2015年から2016年上期にかけてリストラされたのは1万4450人(3100人がグループ内での再配置、ソニーへの移籍1100人)だ。

中でも力を入れてリストラを進めたのが旧「パーソナル&クライアントソリューション社」にあった事業だ。ここも事実上解体して各事業はグループ会社などと統合した。

パソコン事業は国内での個人向けの製造販売を大幅に縮小して法人向けの営業に集中して1300人の人員を削減。4月1日にはパソコン事業部を分割して東芝情報機器と吸収。システムLSI事業を手掛ける大分工場の一部を分割して岩手東芝エレクトロニクスに吸収、社名を「ジャパンセミコンダクター」に変更、生産を大幅に縮小した。

テレビ事業は国内外の人員の8割に当たる3700人を削減して、製造販売からは全面的に撤退。家庭用電器事業は人員を1万4600人から1800人を削減。そのうえでテレビ事業を除いた家庭用電器事業は中国の美的集団に売却された。

さらに旧「ヘルスケア社」は3月末で廃止され、中核事業だった東芝メディカルシステムズをキヤノンに6655億円で売却、ヘルスケア事業からは完全撤退した。

そして6月に就任した綱川智社長は「重電部門」と「半導体のNAND型フラッシュメモリー」「社会インフラ」を事業の3本柱に据えて再スタートを切ろうとしていた。