デフレを脱却できるいい年になる

昨年末に大幅な人事の刷新を行い、4月1日からは三井住友フィナンシャルグループの社長に就任する國部毅三井住友銀行頭取は「経営はリスクとチャンスを両にらみで運営していく1年になる」と語る。

「不確実性の高い1年になると思います。ただポジティブな要因は多いと思います。アメリカ経済は強いし、日本経済は緩やかな回復基調にある。中国経済も新興国経済も昨年の後半から少し改善してきている。基本的には前に進んでいく年になると思います。ただリスクファクターもたくさんあります。トランプ次期大統領の具体的政策がどうなるのか、特に貿易面です。保護主義という動きがどこまでいくのか、欧州の政治、中国経済の変調、こういったリスクがいくつかありますので、リスクが出てきた場合はリスクオフ(よりリスクのない安全な資産に資金が向かうこと)になる可能性はあります。ただ、ベースとしては明るいし、前に進んでいく年になると思います。経営としてもリスクとチャンスを両にらみで運営していく1年になると思います」

三井住友銀行はトップ人事の交代で国際畑の高島誠専務執行役員を次期頭取に内定した。

「三井住友銀行の成長を考えた時に、国内でも伸ばしていくのですが、より多くのチャンスがあるのは海外業務なので、トップに必要な資質は、国際感覚とグローバル感覚、そして市場感覚です。そんな点を重視して後任を選んだのですが、当然、今年には大きな期待を寄せています。特にアメリカは、大きく経済が成長する可能性があるので、チャンスは大いにあるんじゃないかと思います」(國部三井住友銀行頭取)

桜ゴルフの佐川八重子社長は若者にとってはチャンスの年になるという。

「世の中が混とんとしているから大人たちがあきらめている。若い人は参入するチャンス。私たちの会社は今年で48年になり、なんとか生き延びてきましたけれど、今年は心機一転で頑張りたいと思います」

サントリーホールディングスの社長に就任して3年目となる新浪剛史氏はデフレ脱却のいい年になるという。

「2017年4月は各社いい業績見通しになりそうですし、賃金上昇すると思います。2018年も5年連続でやるんじゃないかと思っています。いいモデル感ができてくる年になると思います。実績ベースで3%ぐらい上げたいと思っています。悪性のデフレを上回る賃上げができれば、それは解消できると思います。デフレを脱却できるいい年になると思います。ただこれは他力本願ではなくて、やらなくてはだめです」

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