完全に「野党化」した都議会自民党

東京都民の圧倒的な支持を得ている小池百合子都知事による「劇的」な都政改革で、都議会自民党は窮地に陥っている。

豊洲や五輪の問題で、小池知事が「転ぶ」のを待っていたものの、なかなか転ぶ気配がない。逆に、10月4日の代表質問で「知事の側こそブラックボックス」と自分たちを棚に上げた批判を繰り返す自民党の高木啓都議が、銀座のクラブや歌舞伎町の会員制高級キャバクラに政治資金で通っていることがわかるなど、坂道を転がり続けているのは都議会自民党の様相となった。

「都議会自民党の事務局には、都民からの抗議の電話が殺到しており、議員が小池知事への批判的な言動・態度をするたびに電話番担当者は連日弁明に追われている」(都議会自民党関係者)状態だという。それでも「知事の転び待ち戦略」を続ける都議会自民党は、豊洲や五輪問題について、談話も政策提言も一切なし。これは主要会派で唯一だ。

「今後も『議会軽視』『知事と議会は二元代表制』の2点で知事を追及していく」(前述の都議会自民党関係者)と話すが「代表質問やその答弁を見る限り、都議会自民党は知事によって完全に野党化し、反対に公明党、民進党、そして共産党までもが与党化しているのが今の都議会。都議会自民党に対する知事答弁が一番素っ気ないことでもそれは明らか。上からの指示があったのか、役所も徐々に都議会自民党とは距離を取り始めているようで心配だ」という。

しかし、都議会自民党の各議員は、マスコミのいない地元の熱心な支援者の前では強気の姿勢を崩していない。「小池がこちらに擦り寄ってきた」「小池とのツーショットポスターをつくってあげることになった」などと語り、存在感の演出に躍起となっているという。

小池陣営幹部は、「会派を割らない限り、現在も、今後も、知事と都議会自民党のツーショットポスターをつくることなどありえない」ということだが、その背景には以下のような実態がある。