“親孝行”子会社が多いトヨタに続くのは

子会社からの受取配当金が多いというのは、稼ぐ子会社を抱えていることを意味する。主な企業の受取配当金を見てみよう。

ソフトバンクグループは、シンガポールの子会社からの配当金が反映される17年3月期も含めれば金額が膨れ上がることはまちがいないが、12年度~15年度の4期を均すと、1事業年度平均は4422億円という計算になる。これは日立製作所(国際会計基準を採用の3期平均)の1004億円を大幅に上回り、三菱商事とほぼ同水準だ。

子会社などからの受取配当金トップはトヨタ自動車で、4期平均は6368億円である。そのほかでは、三井物産が約3600億円、NTTが3000億円弱、ホンダは約2300億円。住友商事、伊藤忠商事、丸紅、日産自動車、ソニー、パナソニックが1000億円台である。

子会社からの配当金とは対照的に、連結決算に計上されるのが「持分法投資損益」である。これは親会社の出資比率が基本的に20~50%の関連会社の利益を、出資比率に応じて取り込むものである。関連会社の稼ぎ具合が見て取れる指標だ。

ソフトバンクグループのそれは4期平均で1306億円。トヨタは2968億円、日立は192億円、三菱商事は15年度が赤字に陥ったことで平均額が下がり836億円だった。ホンダが1176億円。三井物産が900億円台、日産自動車は800億円台、伊藤忠商事と丸紅が700億円台である。

子会社の稼ぎ具合では、トヨタを追って、ソフトバンクグループやホンダ、日産、それに総合商社が2番手グループを形成。NTT、パナソニック、ソニーも稼ぐ子会社を傘下に従えているのは明らかだ。

一方、関連会社だけでいえば、持分法投資損益が赤字のソニーとNTTの場合は、赤字体質の関連会社が多いということ。流通2強のイオンとセブン&アイHD、それにパナソニックと日立製作所は、稼ぐ関連会社が少数にとどまっていると見てとれる。

子会社や関連会社の稼ぎでも1歩も2歩もリードしているトヨタだが、それに続く企業が多数出現するのを待ちたいところだ。

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