元大手重電メーカー勤務の滝本寛治さん(仮名・54歳)。誠実な人柄・キャリアを見れば、次もすぐ決まるだろうと誰もが思うのだが……。

肩を叩かれてから、2年が経った。滝本さんは再就職先がなかなか決まらず、認知症の老母の介護を続けながら悶々とする日々を送っていた。

大手の重電メーカー4社に勤務。英語が堪能で、海外営業の経験が長かったという。

「プロジェクトの発掘、入札、発注、交渉、代金回収まで一通りやってきました。それが再就職における自分の強みだと思い込んでいました」

過去に1度リストラに遭うも、4カ月後には職を得た。

「今回もそのくらいで何とかなるだろうと思っていたのですが……」

この2年の間に、登録した人材登録会社は10社超。黙ってパソコンの前に座っていれば、求人案件は次々と来る。手元に届いたのは240件。うち20社と面接したが、すべて落ちた。「少し待てば、もっといい案件に出合える、という気持ちがあった」というが、結果は出なかった。

共同通信フォト=写真

「面接を受けても、どうもしっくりこないんです」

求人する側の会社と、どこか波長が合わない。「若い人を求めてるのかな」「このまま決まらなかったら、どうしよう……」などと、自問自答しながら引き籠もりのような生活が続いた。

転職サイト「ミドルの転職」を通じてアクティベイト社を知ったのは2カ月ほど前。

「社長の海老一宏氏が講師を務める転職セミナーも、それほど期待せずに受けました」