イオンは碑文谷店をどう復活させるか
全盛期のダイエーは消費者とともに歩んだ企業だった。「物価凍結宣言」などのメッセージを発信し、時には価格を維持したいメーカーと果敢に戦ってきた。こうした取り組みに対するマスコミの取材は決まって碑文谷店だった。まさにダイエーのみならず、日本のGMS(ジェネラルマーチャンダイズストア=総合スーパー)の旗艦店だったのである。
しかし時代が変わり、稼ぎ頭であったGMS業態が、味方であったはずの消費者から支持されなくなってしまった。2強といわれるセブン&アイ・ホールディングスとイオン、この2社もGMSという業態では苦戦を強いられている。
碑文谷店は2016年冬、イオンスタイルストアとして新たにオープンする予定である。
ダイエーの旗艦店として長年定着していたこの地で、イオンはどんな店舗づくりをするのか。単なる看板替えでは、パチンコ店の改装オープンと変わりがない。ニュー・コンセプトを看板に掲げてオープンした歴史を持つこの店に、イオンは更なる革新性を吹き込み、「これこそ、今までにない全く新しいGMS業態だ」というものを誕生させることができるか、注目である。