お得意先は、ビジネスマンより主婦

最近、こんなタクシーサービスがあるのをご存知だろうか。 

●キッズタクシー:子どもの通学の送迎
●陣痛タクシー:妊婦向けの緊急時対応
●ケアタクシー:高齢者や体が不自由な人をサポート

さまざまな利用者に向けてサービスを展開している効果もあってか、タクシーは今や、多忙なビジネスパーソンに限らず、学生や主婦にも身近になってきているようだ。

東京タクシー・ハイヤー協会が利用者に行った調査によると、乗車頻度が増えている。1カ月の利用回数を見ると「1~3回」の人は52.5%で、13年度より5%増。「4~10回くらい」の人は33.3%で前年度より2.6%増。微増しているという結果だ。

月4~10回、つまり週1~2回タクシーに乗る人。どんな人かと言えば、これまではお酒を飲んで終電を逃したビジネスパーソンというイメージだった。

実際、不動産会社アットホームが都内勤務の営業職サラリーマンを対象に行った調査では、帰宅時に月1回以上タクシーを利用する人は21.4%(月額平均は1万3126円)で、その内訳は飲み会や仕事で終電(終バス)を逃した人が7割近くである。月額平均から類推するに、月数回の利用が多いと思われる。仕事をしていく上では、タクシーは必要な「経費」のようなものかもしれない。

月に4~10回利用する人の割合は、会社員が約30%なのに対し、主婦は37%。学生も33%とかなり高い利用率だ。

ところが、前出・東京タクシー・ハイヤー協会の利用調査では、「月4~10回」利用者は、会社員が29.3%であるのに対して学生は33.3%、さらに主婦は37%だったこともわかった。

利用1回当たりの平均利用金額は、全職業平均で1000~2000円くらいの人が最も多く、6割いる。主婦や学生がそうした「近距離」を週1~2回使うのは、いったいどんな事情があるのか。

都内に住むある専業主婦(33歳)はこう語る。

「家が駅から徒歩15分とやや遠く、雨の日などに子ども2人を連れて移動するのは大変なので、1回1000円前後の距離を月3回は乗っちゃいます」