毎月の赤字額10万円超だったダメ家計も8万円超の黒字に大改造! 家計再生のプロ・横山光昭さんが、実際にあったダメ家計簿10件の改造例をもとに、今すぐ取り入れられる家計再生アイデアの数々を伝授する。
家族構成●夫(35歳・事務機器販売会社勤務)、妻(34歳・主婦)、妊娠中
年収●額面=480万円/手取り=398万円 月収●手取り=26.7万円
ボーナス●夏=39万円/冬=39万円 貯蓄額●80万円
毎月数千円レベルではあるけど、必ず赤字になってしまうという北島さん。
「貯蓄を少しずつ切り崩しているが、底をつきかけている」という妊娠中の妻が、「私はお小遣いをもらっていないほど節約しているし、もう削れるところがないんです」と相談に駆け込んできた。
聞けば雑誌や本を読んで節約に関する勉強はしていたようで、食費や生活日用品などはうまくやり繰りし、夫の小遣いも厳しく制限していた。
ところが被服費、交際費、娯楽費を見ると支出が多めで、アンバランスに見える。改めて聞き直すと、いずれも妻にかかる支出だった。被服費は、妊婦であるためマタニティドレスなどにお金がかかる部分は仕方がないとしても、「赤ちゃんのため」といいつつ、財布のひもが緩みがちに。妊婦仲間とのランチやカフェ代、さらには妻が楽しむ雑誌代も、交際費や娯楽費といった家計から区別なく使っていたのだ。夫の小遣いには厳しいくせに、実態は、それ以上に妻の小遣いのほうが多かったわけ。
へソクリの変則版ともいえるこうした事象を「妻の小遣いのブラックボックス化」と呼ぶ。お金の管理があやふやになって、浪費が発生しやすい。解決策は明らか。家計と個人で使うお金を切り分けること。つまり、妻にも小遣い制を導入することである。北島さんの妻の場合、小遣いを月1万円に設定してやり繰りすることにした。
あわせて、自動車関連費が負担になっていたが、これは夫の仕事上どうしても必要とのこと。そこで、夫の小遣いが少なかったこともあり、それを2万6000円から4万円に引き上げ、およそ1万円かかっていたガソリン代は、そこに含める形にした。ガソリン代が少ないほど夫の小遣いが増えるという仕組みだ。夫はそれまでガソリンを「満タン」で入れていたが、「5000円分」ずつ入れるようにしたら、月に1万円もかからなくなったという。
マイエフピー代表取締役社長。庶民派ファイナンシャル・プランナーとして、8000人以上の赤字家計を再生。著書に『年収200万円からの貯金生活宣言』シリーズなどベストセラー多数。