「500円玉貯金しています。お釣りで500円硬貨をもらうとヘソクリへ回すのが私のルール。数百円の商品も、500円硬貨を使用しないでお札で支払います」(33歳・専業主婦)
「最近スーパーではビニール袋が有料の店が増えました。1枚2~3円。そこでマイバッグを持参し、3円ヘソクリしています」(28歳女性・流通)
ヘソクリとは、配偶者に内緒にしている個人資産のことである。その語源には諸説あり、紡いだ麻糸をつなげて巻き付ける糸巻の「綜麻(へそ)」を由来とする説が有力だ。かつて、妻が内職で綜麻を繰って得たわずかな収入を貯めたものを「ヘソクリ金」などと呼ぶようになったと言われる。冒頭のヘソクリ実践例もその語源に沿った内容といえる。 しかし2013年、世の夫たちを震撼させる、ある数字が発表された。
「サラリーマンの夫を持つ主婦のヘソクリの平均額は384万円!」(損保ジャパンDIY生命保険調査)
聞けば、最高額は何と5000万円。30代の平均が382万円、40代が372万円、50代が533万円というケタはずれの大金だったのだ。もはやそれは内職仕事といった慎ましい存在ではなく、一大事業ともいえる。
さらに、別のヘソクリ調査(明治安田生命保険・表参照)に夫たちは再び度肝を抜かれた。妻のヘソクリの平均額は前出の調査より低かったものの、調査開始の2006年当時の額と比べ、実に約1.7倍に達し、その額は夫のヘソクリ額の3倍以上になっているというのだ。