タクシーヘビーユーザーの女性の「共通点」

東京郊外在住のワーキングマザー(自由業・35歳)もこう話す。

「うちは保育園、駅、小児科と日常の目的地までが徒歩30分以上する場所に住んでいるので、体調が悪いときや(保育園への)お迎えが遅くなったときはタクシーを使います。多いときで月8回くらい、1回1300円くらいですね」

ちなみに、この2人は富裕層ではない。世帯年収は中間層で、家賃節約の目的で駅からかなり歩く立地を自宅に選んだという共通点がある。その結果、タクシーを使わざるを得ないジレンマに陥っているのだ。「子連れ」「荷物が多い」「雨天」といったケースでは、タクシーという選択になるわけだ。

会社員や経営者は主に通勤・商用目的でタクシーに乗るが、主婦は買い物時や通院時によく使う。

一方、都内の駅から徒歩5分圏内というアクセスのいい住人に聞くと、頻度はごくわずかだった。

「利用は月に1回(3000円程度)。結婚式の2次会やパーティーなどで終電を逃したときに」(37歳・専業主婦)

「数カ月に1回かな。1回2000円程度。雨の日の保育園の送り迎えや病院通院時に使います」(40歳・女性会社員)

やはりタクシー利用度と最寄り駅との距離の関係はありそうだ。ただ、節約目的であえて駅から遠くの物件に住めば家賃は安くなるので、タクシー代が月1万円程度ならしかたないとも思えるのではないかと思いきや……。

「雨や雪の朝に電話でタクシーを呼ぼうとすると、2時間もつながらないことがあるんです。2時間ずっと電話をかけ続けるのは時間の無駄ですし、その機会損失やストレスを考えると、駅近でタクシー不要の割高物件に住むほうがずっとお得です」(前出・自由業の女性)

と猛烈に後悔している。彼女の場合、子どもの急病時でタクシーを使わざるを得なかったわけだが、経済的な面でも、

「一度タクシーに乗ると、『タクシー=ぜいたく』という敷居がなくなってついつい利用してしまう自分がいる。最近、荷物を玄関先まで運んでくれて料金は通常通りという『子育てタクシー』があるのを知って、通園や通院のときに頼もうかと考えています」(同上)