売上4兆円は必達、目標仕事のやり方を見直す
【弘兼】これから新浪さんが一緒に働きたいというのは、どんな人ですか。
【新浪】常に新しい価値をつくろうという意欲があり、それをいろいろな国の人たちと「ワイガヤ」で一緒にできる人ですね。
【弘兼】そうなると英語は当然。
【新浪】そうですね。英語は習得しなければならないと考えると堅苦しいんですが、単なるコミュニケーションツールと考えれば楽になります。下手でもいいので、議論に参加できるようにしてほしい。
【弘兼】新浪さんは1991年にハーバード大学に留学して、MBAを取得していますよね。英語では苦労しませんでしたか。
【新浪】意思疎通には困りませんでしたが、発音なんかひどいものですよ。重要なことは発音よりも内容です。ハーバード大学では「ケーススタディ」といって決まった解答のない議論をします。そこでは議論を通じて相手を納得させる必要がある。どんなに英語が上手くても、中身のないことを話すだけでは落第です。
【弘兼】2014年度の売上高は2兆4552億円。国内飲料メーカーでは1位ですが、さらに2020年に売上高4兆円という目標を掲げています。この数字にはどんな意味が?
【新浪】4兆円は「必達目標」だといっています。ただ、単に4兆円に到達することに目標を置いているのではなく、そのためにどのように仕事のやり方を変えるか。そのことのほうが重要だと考えています。これまで通りのやり方では無理です。グローバルに通じるやり方に変えていかなければいけない。
【弘兼】そのためにはビーム社のよさも吸収していく必要がありますね。たとえば将来的にはビーム社から社長が出てくる可能性もありますか。
【新浪】それもいいんじゃないでしょうか。逆に日本人社員もチャレンジしたい人がいれば、アメリカに出していこうと思っています。向こうでは、日本と違って30歳ぐらいで部長になれますから。国外で経験を積み、成長してもらって戻ってきて役員になってもいい。そうやって仕事のやり方をがらりと変えていく。そんな変化を起こすことが僕のミッションだと思っています。