国勢調査 7人に1人が学歴不詳

昨年(2015年)は、『国勢調査』が実施されました。

5年おきに実施される、全国民を対象とした基幹統計調査です。国民の年齢構成、世帯構造、労働力状態、居住地分布などを明らかにするもので、そのデータは政策立案や学術研究などに広く用いられています。

その『国勢調査』ですが、最近の結果を見ていて気になることがあります。

「不詳」というカテゴリーの人数が多いことです。2010年のデータによると、15歳以上人口(1億1027万7485人)の「配偶関係内訳」は、未婚者が2972万9932人、有配偶者が6378万5762人、死別者が940万8532人、離別者が528万2583人、不詳が207万676人、となっています。不詳の割合は1.9%です。

自分の配偶関係を知らない人などいないでしょうから、不詳の多くは回答拒否であると思われます。まあ、デリケートな項目ですしね。私はアラフォー独身男子ですが、去年の『国勢調査』で「未婚」にチェックを入れるのは、ちょっとばかり「うっ」ときました。

不詳の割合がもっと高い項目もあります。

「労働力状態(就業、失業、家事、通学……)」や「学歴」などです。図1は、配偶関係、労働力状態、最終学歴の不詳率をグラフにしたものです。過去からの変化も見るため、2000年の数値も入れています。

どの項目も、この10年間で不詳率が上がっています。

2010年の不詳率は、配偶関係が1.9%、労働力状態が5.6%、学歴では13.1%(7人に1人)にもなります。学歴の不詳率は高いですねえ。さすがにこれは、答えるのに抵抗がある人も多いかもしれません。この10年間で不詳率が10ポイント近くも上昇していますが、プライバシーに対する意識が急速に高まった、ということでしょうか。