上司の理想と現実、小さなウソやごまかしも部下は見抜いている

日本GEの総合職の女性社員比率は22%。管理職比率は14%、役員クラスは23%と、国内の一般基準からは決して低くはない。だが、同社の20年管理職比20%の目標を達成するには、女性社員全体の底上げが必要だ。そのために実践しているのが、上司の自覚と部下の育成を促す取り組みだ。非管理職の女性約400人から上位10%の40人を選抜。人事と上司が協力して3年後のマネジャー育成を目指すが、そのプログラムの一つが候補の女性社員と上司がペアで参加する研修だ。

2015年2月24日。初めての研修が女性部下7人と直属上司7人(うち女性2人)を集めて開催された。部下と上司に分かれた午前中のセッションで早速見せられた先の社内調査結果に、上司は衝撃的なパンチを浴びた。昇進を希望しない女性の理由として「365日24時間働かなければいけない」といった仕事と生活の両立の不安が披瀝された。

「女性が思うワークライフバランスの不安に対して、マネジャー自身がロールモデルを示しているかが問われます。マネジャー同士で解決策を探り、最後に全員がアクションプランを出すところまで徹底して議論してもらいました」(木下氏)

さらに参加者の部下と上司が描く“ステキな上司”像と部下から見た現実の“惜しい上司”を発表。「小さなウソやごまかしがばれていると気づいていない」「寝ていない、忙しいと頻繁に愚痴を言う」と部下からの鋭い指摘が浴びせられる。

「部下からすべて見透かされていることに気づき、上司たちは冷や汗の出る体験を味わったようです」(同)