職場や飲み会で上司や先輩がしてくる興味のない話。あなたはどんな顔で聞いているだろうか。その顔ひとつで評価が変わってくるのだから大変だ。

悪女学研究所所長が出した結論とは?

何の興味も湧かない話でも、真剣に聞いているフリをしなくてはいけないのは、職場でも家庭でも同じだろう。本当はウワの空なのに「私はあなたの話を聞いていますよ」ということが相手に伝わればこんなに楽なことはない。

会話で与える印象は、言葉よりもしぐさや表情など言葉ではないメッセージのほうが大きな効果がある。心理学者のアルバート・メラビアンによれば、話し手の印象は、「言語以外の非言語的な要素で93%が決まってしまう」という。

早稲田大学オープンカレッジ講師で悪女学研究所所長の藤田尚弓氏は、「人間は非言語と言語のコミュニケーションを同時に発信しています。日本には言葉に出さずに察するという文化があって、非言語のほうが信頼される傾向が強い」ので、聞くときの表情や姿勢、うなずきなど言葉の周辺情報に敏感だと指摘する。

相手がつまらない話をしていると、つい無気力、無表情、無反応になりがちだが、話をきちんと聞いていないことが相手に伝わってしまっているというわけだ。そのような場合でも、真剣に聞いていることをアピールする表情や態度の見せ方はあるという。具体的なテクニックについて、藤田氏に解説してもらおう。

まず、話を聞くときには耳だけでなく、体全体を使うこと。椅子に座っているのであれば、上半身をやや前傾させるのがコツだという。

「身を乗り出して聞くことで、相手に対して興味を示すことができます」

その際、足の向きは、相手のいる方向に向けること。

「たとえば、パソコンに向かっているときに話しかけられて顔だけ向けたのでは、心ここにあらずの感じを与えてしまいます」

アゴはちょっと引くのがポイント。「きちんと聞いていないときの顔は、アゴが上がって、目は少し泳ぎ、相手から視線が外れます。そして口角は下がり、“へ”の字口になります。それを防ぐためには、やや口角を上げるといいでしょう。口元を引き締める感じでやるとうまくいきます」