ただ、オーケーは特定商品を集中仕入れすることでコストダウンをしているといわれますが、それはあくまでも結果であって「特定メーカー以外を扱わない」わけではありません。店頭の「ご意見カード」などでご要望の多い品は、新規メーカーでも極力扱うようにしています。むしろEDLPの徹底によってムラのない販売計画を立てられることが、仕入れの効率化につながっているのです。

オーケーの販売コストはなんとイオンの半分!
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オーケーの販売コストはなんとイオンの半分!

私の発想の原点は「嫌だなと思うことはしないこと」。小売業には無理・無駄や非合理的な慣習が存在します。とりわけお客様に説明できないことはやめるべきだと思うのです。

たとえば長雨が続くと野菜の品質は落ちますが、品薄になるので値上がりします。悪い品を高く売ることになりますから、小売店としてはその時期の野菜は仕入れたくありません。仮に安売りしても「あの店の野菜はダメだ」といわれます。売らないほうがいいのです。

そこで考えたのが「オネスト(正直)カード」です。あるとき、野菜を少量だけ仕入れて「長雨のために品が悪く高価な野菜が入荷しています。天候の回復を待ってお買い上げください」と書いたカードを掲示しました。事情を正直に伝えることで、売りたくない品物を売らなくて済んだのです。こうした数々の取り組みによって、オーケーは多くのお客様から熱烈な支持をいただくようになりました。

会社を成長させるには社員のやる気を高めることも大切です。当社は毎年3~5店を新たにオープンしているので、人材確保は重要な課題です。単に待遇がいいというだけではない、やりがいのある職場づくりが必要だと感じています。

一例を挙げると、各店の店長やチーフ、本部のバイヤーなどを売り上げに対する「数値責任者」とし、実績に応じて四半期ごとに特別賞与を出しています。特別賞与の上限は年間で年収の60%ですから、年収1000万円の人なら最大1600万円まで稼ぐことができます。

当社では最速入社6年で店長に昇進します。地位には権限がともないますから、早い人は20代のうちに数十人を指揮するトップの醍醐味を味わえます。その意味でも、やりがいのある職場になっていると思うのです。

(面澤淳市=構成 芳地博之=撮影)