「毎日低価格」「正直」で熱烈な固定客つかむ

人件費や設備投資ではなく、非合理な慣習を見直すべし<br><strong>オーケー社長 飯田 勧</strong>●1928年生まれ。海軍兵学校卒。起業家兄弟として名高い飯田五兄弟の三男。67年にオーケーを設立。
人件費や設備投資ではなく、非合理な慣習を見直すべし
オーケー社長 飯田 勧●1928年生まれ。海軍兵学校卒。起業家兄弟として名高い飯田五兄弟の三男。67年にオーケーを設立。

小売業として今後も成長を続けていくには米ウォルマートや仏カルフールに負けないローコスト経営が必要です。当社は2011年までに「借り入れなしで年率30%成長」を目指し新店開設などの設備投資を進めていますが、その一方で総経費率(総売上高販売管理費率)15%台以下という、日本のスーパーとしては異例のローコスト体質を維持しています。

しかし、現場の従業員には「必死で経費を削っている」という後ろ向きの感覚はないと思います。たいていのスーパーよりも店舗にカネをかけていますし、賃金も業界水準より高いからです。その分、「高品質・エブリデーロープライス(EDLP=毎日低価格)」という基本方針のもとでシステム化を進め、経費を最小化しているのです。

EDLPとは、その日限りの「目玉商品」や特売価格を設定する代わりに、ほとんどの商品を毎日同じ低価格で販売するやり方です。しかも他店で特売があるときは、その特売価格に合わせてこちらの値札も付け替えます。ですからお客様はオーケーに来てくだされば絶対に損をしない仕組みになっています。店としても特売を知らせる折り込み広告(チラシ)を出さなくていいので、無駄な広告費がかかりません。

他店の特売価格に合わせて値下げをするといっても、通常の売値が特売水準にないと現実には合わせきれません。まさに「毎日低価格」を実現していなければいけないのです。もちろん、仕入れにも工夫を凝らしています。