[事例2:見下し自慢タイプ]
▼自分が人よりも優れていることを過剰にアピールする
会話の最中に必ず、「あなたより私のほうが上だ」というニュアンスを漂わせずにはおれない人がいる。このタイプの人はアドラー流に言えば「優越コンプレックス」の持ち主である。「優越」という言葉はついているが、根にあるのは強い劣等感であり、自慢をし続けていないと精神の安定を保つことができない。決して喧嘩を売っているわけではないのである。
このタイプには、いい成績を取ったときは褒められ悪い成績をとったときには無視されるといった典型的な賞罰教育を受けた人が多いが、そう考えると、やはり可哀想な人だと思えてくる。
対処方法としては、主眼は常に「自慢」にあることを理解して、「お~凄いねぇ」などと相槌を打ってやればとりあえずは満足する。見下し自慢タイプの発言は、本筋にはまったく関係ないから、真面目に受け答えする必要はないのである。
自己防衛タイプと見下し自慢タイプには共通して欠乏しているものがある。それは、劣等感を建設的な方向へ振り向けるバネだ。そこで、彼らに本質的な成長を促そうと思ったら、バネを与える、すなわち「勇気の補充」をしてあげる必要がある。それには評価するのではなく「本当に助かったよ」といった感謝の言葉が最も有効だとアドラーは言うのである。
処方箋▼たちまち手なずけられる一言
「お~凄いねぇ」